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最終更新日:2018年6月13日(水)


かみかわ「食べものがたり」: 匠舎「行者にんにくパウダー」


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自生する行者にんにくを、一年中使えるように
自らの経験を生かしとらわれない発想で新商品を開発する(有)匠舎常務取締役の広瀬宏一さん
(有)匠舎「行者にんにくパウダー」 かみかわ北部
特殊製法で、一年中使えるパウダーに

 「幌加内と中川の境界線に、蕗の台という山がまっ平のところがある。クマも出そうなその場所に行者ニンニクの群生地があって、山に詳しい名人のおじいさんたち3人がそこから採って来ていたんだ」。

 その行者にんにくを使って「行者にんにくパウダー」を開発した中川町の(有)匠舎常務取締役の広瀬宏一さん。時は昭和の終わり。その時行われていた「ふるさと創成事業」で、中川町では中川町地場産品加工研究センターが建てられました。

 「町民から何をする施設なの?とよく聞かれて」と当時加工センターに勤務していた広瀬さん。「研究ばかりしているんじゃなくて、なにか商品になるものを作らなくてはいけない」と、地場のものを使った商品開発に取り組み始めました。“地場のもの”と考えたのが、山に自生している行者にんにく。採れる時期も限られている行者にんにくを保存の効く乾燥物にしようと、パウダーにする方法を色々試作しました。例えば、遠赤外線やフリーズドライ。遠赤外線は焼けて色が変わってしまい、フリーズドライはコストの面で断念。結局、電子レンジと同じ方法の内部から乾燥させるマイクロウェーブ乾燥に辿り着きます。第1次焙煎をマイクロウェーブで。この方法だと緑色も綺麗に残りました。

 そしてビン詰めをする直前に第2次焙煎として直火焙煎。その特殊製法で特許も取得し、同社が管理する「道の駅なかがわ」で販売しています。

画像 行者にんにくパウダー瓶
★「行者にんにくパウダー」540円(税込) (宗谷の自然塩入り)540円(税込) 
特殊な方法でパウダーにし、にんにく特有の臭いを除去しました
ぎょうざ、ラーメン、焼肉などにひとふり、薬味としても使えます

 

行者にんにくパウダーが繋げる新たな商品

 生の行者にんにくは、食べた後のその匂いが嫌がられます。ところが、パウダーにすることで体内に入ったあとの独特の臭いが除去され、口臭にも便や尿にも臭いは出ません。翌日が休日ではなくても、安心して行者にんにくが楽しめます。

 ラーメンなどの汁物に入れると甘みが、焼肉にかけると香ばしく味に深みが出ます。チャーハンなどにもオススメ。「商品ができた時、あれこれ出前を取って、どんな食べ方ができるか皆で考えたんです」と広瀬さん。

 また行者にんにくは、昔、行者たちが風邪や疲労回復のために食べていたと言われており、健康面でも注目されています。この行者にんにくパウダーをティーバッグに入れ、お茶にして飲んでいる人も多くいます。

 販売から20年以上。同社では様々な商品を出していますが、パウダーは当初から残っている数少ない商品の1つ。現在は、平均年0.5~1トンの行者にんにくを使い、50~100kgが出来上がります。「作った分は、ほぼ完売します」。地道に売れ続けているロングセラー商品です。

 このパウダーは、商品として販売するだけではなく、新たな商品にも繋がりました。同社で抜群の人気商品で、年間3万パックの売上げがあるポンピラソーセージにもパウダーを使用。生の行者にんにくだけでは出ない香りが、このパウダーをかけることで、美味しさがより深まります。

画像 ウィンナソーセージ

 

限りある自然のものを戴く

 現在、自生している行者にんにくは北海道に100トンも無いだろうといわれています。1度採ると再生するのに5年の月日がかかる行者にんにく。現在は行者にんにく自体が減ってきて、確保することが難しくなっています。

 同社も冒頭で紹介した山に詳しい男性3人と契約し、以前は、多いときは1日100kg近く採れた日も。残念ながら、その3人とも現在はいなくなりました。今は収穫時期になると町内で買取のチラシを配り、山から採ってきてもらいますが、名人のような量には及びません。「自然になっているものだから、無限にあるものじゃない」。広瀬さんは以前、毎年確実に収穫できないか、肥料で育たないか研究したこともあるそう。残念ながら結果はうまくいきませんでした。

 限りある自然のものを戴く。山の自然の恵みから生まれた行者にんにくパウダーは、年々、貴重な商品になっていくのかもしれません。

画像行者ニンニクの葉
山深くに自生する行者にんにくはビタミン類が豊富で、スタミナ回復などに効果があるといわれています。人工栽培が難しく収穫の時期も限定されますが、パウダーなら手軽にいろんな料理に活用できます

 

新開発は、様々な角度から見つめる事から。

 加工センターは、その後振興公社に変わり、さらに平成17年に広瀬さんら数人で(有)匠舎を設立し、民間委託としてその運営を引き継ぎました。中川町商工会の特産品開発委員も経験している広瀬さんは、これまでも様々な商品開発に関わってきました。

 例えば、トウキビのジャム、山菜を七種類漬けた「山菜七拍子」など。「こんなのを入れたらどうだろう?」と常に考え、まずはやってみる。すぐに行動に移す。「新しいアイデアを考え作ってみるのは、仕事と言うより趣味ですね」と広瀬さん。実は、これまで様々な職種を経験してきた広瀬さんは「例えば肉の焼き方でも、調理しかしたことのない人は焼くことしか思いつかない。でも、僕は加工センターで働く前も本当にいろいろなことをやってきた。トラックに乗ったり、生コンクリートを作る会社や、調理師、水商売もしていた。だから1つのことに対していろいろな方向から見られるんです」と。

 ちょっと粋な雰囲気の広瀬さん。一生懸命さを隠しながら、とらわれない発想を繰り広げていく。今も頭の中では、新しい製品が形になろうとしています。

 

  (有) 匠舎加工センター


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