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最終更新日:2018年6月13日(水)


かみかわ「食べものがたり」:ecoおといねっぷ「音威子府羊羹」


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1ミリの妥協も許さない
「国鉄時代の意識が今の仕事にも生きています」と真剣に羊羹づくりに取り組む岡嶋孝一さん
ecoおといねっぷ「音威子府羊羹」 かみかわ北部
1分1秒の世界で生きてきた

 1分1秒、1ミリメートルの世界で生きてきた旧国鉄マン。

 「自分の中で妥協は許されないと思ってきました。保線管理室に勤務していた国鉄時代は、線路を修理する時も1ミリ単位で直します。自分が直した後に列車が通るのだから、妥協は許されません。それが当たり前なんです」と語るのは、国鉄とはかけ離れた“羊羹”を20年作ってきた岡嶋孝一さん。岡嶋さんと今野裕之さんは、音威子府周辺で働いていた旧国鉄職員で作る「NPO法人ecoおといねっぷ」の組合員です。

 「ecoおといねっぷ」では、JRへの復帰を目指しながら、収入源の1つとして平成3年から羊羹を作り続けてきました。その羊羹作りを担当されているのがお2人です。

 羊羹の作り方は、鎌倉の和菓子の名店「上生御菓子処・美鈴」から指導を受けてきました。「初めの頃は寝ていても、仕事のことが頭から離れませんでした」。国鉄と和菓子作り。まったく異なる仕事への不安と責任感がお2人を襲います。でも、今では白い調理衣に身を包んだ姿は、どこから見てもプロの和菓子職人。そこには、見た目だけではなく、内側から滲み出るプロ魂がありました。

画像 音威子府羊羹
★「音威子府羊羹」(内容量200g・1本)515円(税込) 
小倉(おぐら)・本煉(ほんねり)・よもぎ・ハスカップ・かぼちゃの5種類があります
どれも上品な味わい小型(内容量100g・1本)260円(税込)もありますこちらは小倉・本煉・よもぎ・かぼちゃ・ハスカップ・胡麻・はちみつ・蕎麦の8種類

 

それは真剣勝負の味

 小倉あんはお鍋に小豆と水あめと寒天を入れて、ゆっくりゆっくりかき混ぜて作ります。焦がさないように、火に負けないように、水分を飛ばしながら40分間。もちろんそれは目安の時間で、その時の気候や湿度に微妙に左右されます。  

 煮すぎてもダメ、焦げ付かせてもダメ。糖度を計りながら、どこまで煮詰めるか、最後の締めは真剣勝負です。「ここからが最後のツメ。1番大切な時なんです」。その瞬間、岡嶋さんの穏やかだった表情が変わります。

 通常、1升の小豆を使って、30本(200g)分の羊羹が作れます。でも、それがもし29本分しか取れなかったら、どうするのか?岡嶋さんたちは、迷わず全てを廃棄してしまうのです。

 同じ量の小豆、寒天、水あめを使って、仕上がりがいつもと同じ量にならない。同じ材料と同じ量で、いつも通りの30本分が作れなかったということは、煮詰めすぎてしまったということになります。煮詰めすぎると水分が凝縮され甘さが濃くなり、寒天が効きすぎ通常より硬くなります。反対にこれが31本分取れてしまうと、ゆる過ぎたということに。それは、完璧を目指す岡嶋さんたちの味ではありません。

 「お客様に申し訳ない」。そこに1ミリの妥協も許さなかった国鉄マン時代の魂が蘇ります。

 できあがったあんを袋に流し入れ、1本ずつ重さを計量します。その時、許されるのは2グラムまでの誤差。それも、手を抜くことを知らないお2人が、自分たちに課した数字です。そして、完成した羊羹の数がぴったり30本になった時、初めて「音威子府羊羹」の味が完成するのです。

画像 羊羹づくり 真剣な表情で羊羹を作る今野裕之さん(左)と、岡嶋さん作業中、不思議なオーラが2人を包みます

 

小豆1粒の食感

 こだわるのは味だけではなく、かすかな食感の違いにも気を抜きません。小豆は煮ても、時折硬いままの粒が残ります。小豆を煮詰めながら、硬いままの豆を見つけては、潰す作業を根気よく繰り返します。あんを袋に流し入れる時も最後まで注意深く確認します。

 もし、硬いままの小豆が残っていたら、舌に触れる食感が変わってしまう。そのわずかな瞬間の食感にまで、神経を注ぎます。大きな鍋で煮詰める小豆、その中の1粒。「僕には目を凝らしていても見つけられないのに、2人は不思議と見つけるんですよね」と案内してくださった総務担当理事の杉山均さん。お2人の目には、職人ならではの鋭い視力があるようです。

 

鍋が磨り減るまでに

 「良い物を作るためには、良い道具を綺麗に使う」。それが、美鈴の教えでもありました。その教えを忠実に守り、鍋は熱が均一に伝わる銅を使用しています。

 「鍋に少しでもこびりついた汚れがあると、味が変わってしまう。綺麗に洗うまでが自分たちの仕事です」。毎日、腱鞘炎になるほど磨くので、鍋はすぐ磨り減り穴があき、2~3年しか持ちません。

 作業場も、50年は経っていそうな古い建物ですが、厨房はピカピカに磨かれています。厨房に1歩、足を踏み入れただけで、仕事に対する心意気がひと目で伝わってきます。

画像 大豆を煮詰める鍋と羊羹の型 北海道産小豆100%手間を惜しまず、丹念に心を込めて作り上げました作り手の仕事に対する姿勢が、味に滲み出ている逸品本州からも注文が入り、根強いファンがいます

 

甘さで誤魔化さない、素材の風味を

 美鈴から受け継いだ思いは、「手作りの風味を壊さないこと」。だからただ甘いだけではなく、素材の持ち味を生かすことを心掛けてきました。

 それは“甘さ”で誤魔化さない、正直な味。小倉は上品な甘さに、豆羊羹と呼べるほど豆がびっしり詰まっています。本練は、小豆を煮た後、熱いうちに皮と中身を丁寧に取り分け、丹念に練り上げています。

 材料は厳選した上川産と十勝産の小豆、大手亡豆(白いんげん豆)を使用。膨大な量の小豆を1粒ひと粒、選別して使います。粒がそのまま形に残る小倉用には、粒の大きさを揃えた小豆を、小倉では使えないまちまちの大きさのものは本練の材料へと使い分けています。すべて手作業。自分の目と手で1粒ひと粒分けていく。美味しさのためには、手間を惜しまない。そんな地道な作業の積み重ねが、「音威子府羊羹」の味を支えています。

みなさまにお知らせ

ご紹介した岡嶋さんですが、取材後退職されました。
現在は今野さんが岡嶋さんの想いを引き継ぎ、お一人で羊羹の生産を行っています。
今後も「音威子府羊羹」をよろしくお願いいたします。

 

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