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ホーム > 産業振興部 > 商工労働観光課 >  かみかわ「食べものがたり」: 多田精肉店「豚さがり」


最終更新日:2018年6月14日(木)


かみかわ「食べものがたり」: 多田精肉店「豚さがり」


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(ジャンル)食べものがたりトップページ > 肉類・卵 > 多田精肉店
肉の買い付け業者が塩煮で食べたのが原点
父親のたれに改良を加えて商品化した「豚さがり」製品を手にする多田さん
多田精肉店「豚さがり」 かみかわ南部
登録申請せず、全町に普及

 「豚さがり」の名称を昭和40年代後半から使用し、後のヒット商品となる「みそ味豚さがり」を昭和50年に開発したのが、上富良野町駅前にある「多田精肉店」の店主・多田豊隆さんです。

 商品化当初は商標登録をしていましたが、町内のより多くの店で“豚さがり”を取り扱うことが出来るよう、存続期間後は更新申請を行わず誰もが使えるようにしました。その結果、「豚さがり」は町内全域に普及。町おこしの起爆剤にもなっています。まさに、「元祖・豚さがり」とも言える店なのです。

画像 豚さがりパッケージ
★豚さがり「みそ味」780円(税込)「スパイシー味」「塩味」各880円(税込) ※全て500g・1袋
最初に開発した「みそ味」(左)のほか、若い人たちには「スパイシー味」(右)も人気

 


生でない味付け商品を開発

 「多田精肉店」は多田さんの父・武雄さんが昭和37年に創業。昭和30年に離農した後、さまざまな商売を手掛けましたが最終的に肉屋に決めました。当時から町役場、農協が一体となって養豚業を奨励しており、多くの農家で豚が飼われていたそうです。

 高校を卒業後、肉屋を継いだ多田さんは屠殺場に出入りするようになります。そのとき目にしたのが、豚を解体したときに出る豚の横隔膜を、鍋で塩煮のようにして食べている風景でした。「屠殺場の職員のほか、肉を買いに来る業者が普通に食べていました。とても柔らかくて美味しかったので、売れるのではと思ったんです」と多田さんは話します。

 しかし、店の前に「“豚の生さがり”あります」という看板を掲げたところ、お客さんがやって来て「生きの下がった肉をください」と声をかけられたといいます。養豚が盛んな上富良野でさえ、「豚さがり」の認知度は低かったということ。このため生肉ではなく、味付け肉の新商品を開発することになりました。

 

父親が作ったたれがベース

 当時の店ではジンギスカンのほか、塩味ホルモン、みそ味ホルモンなどを売っていました。味付けは武雄さんで、リンゴなどの果実のほか、ショウガやニンニクなどを使って店独自の味を生み出していたそうです。「豚さがり」を商品化する際にも当然、武雄さんが作ったたれをベースに試作が繰り返されました。

 「豚さがり」は一般のロース肉やモモ肉などと違い、内臓肉と呼ばれる部位。このため独特の臭みをどう処理するのかがまず課題になります。ベースのたれにミカンなど柑橘系の果物も加え、味を調整。漬け込むたれは完成しました。そしてもうひとつの課題は、内臓肉は傷みが早いため、いかに消費期限を延ばすかということでした。そこで多田さんは、真空パックにして冷凍保存する方法を考案。こうすれば消費期限は一気に延びるうえ、郵送などにも対応できるようになりました。


4種類の天然成分入り飼料でおいしい肉に

 「豚さがり」の商品開発が可能だった陰には、「肉の品質向上を図ってきた過去の大先輩の遺産があったから」と多田さん。上富良野町では39,795頭(うち母豚3,465頭)を飼育しています(※平成27年2月1日現在)。この肉は「かみふらのポーク」と呼ばれるブランド豚で、締まりの良い肉質が特徴です。豚を飼育している町内4戸の農家でつくる「上富良野産豚肉販売推進協議会」では「安全安心は当たり前」「自分たちが食べたい、美味しくて安全な豚肉をつくる」を合言葉に、豚にストレスをかけないよう飼育管理・生産を行っているそうです。

 特に、同協議会ではエサにもこだわりがあります。「地養素」という木酢精製液、海藻、ヨモギ、ゼオライトの4つの天然成分が入った飼料を使用。木酢液に含まれる有機酸が、疲労物質となる乳酸をできにくくするため、ストレスの少ない豚が育つといいます。また、豚が太り始めた時点からは、飼料に麦を10%以上配合することで、身の締まった美味しい肉に仕上がるのだそう。

 「豚さがり」のみそ味を商品化した当初は、あまり売れませんでした。しかし、多田さんと町内4店の精肉店、そして町内の親睦会が協力して「精肉店オリジナル豚さがり」の売り込みを図ったところ、焼肉店や飲食店でも使ってもらえるようになり、静かにヒット。町内の人が宅配便でお歳暮などに利用してくれるようになったほか、スーパーでも独自の商品を置くようになりました。「ほぼ5年で、町内全体に知れ渡ったと思います」と多田さんは振り返ります。

画像 店舗外観とショーケース
JR上富良野駅前にある「多田精肉店」店内には「豚さがり」のほか、ジンギスカンや牛カルビなどの定番商品も並びます

 

大量の桜の倒木からソーセージ作りへ

 また20数年前、台風のために上富良野神社の桜の木が10数本なぎ倒されたことがありました。同神社の宮司は、多田さんの中学校時代の1学年先輩。宮司から「桜の木は燻煙するのに適しているようだ」とアドバイスされた多田さんは早速専用の加工室を作り、豚肉を使ったウインナーとフランクフルトの試作に乗り出します。しかし、まったくの独学からのスタート。手探り状態の日々が続きました。

 そんな状況でも多田さんの中で絶対にブレなかった信念は、主役の豚肉を上富良野産とするなど「富良野地域の食材で仕上げる」ということ。地元に根ざした精肉店ならではのこだわりをもって、多田さんの初めてのソーセージ作りは熱を帯びていきます。



「みそ味」・「塩味」に「スパイシー味」も追加

 商品の案が固まってきたところで試作を繰り返しますが、失敗の連続でした。家族に食べてもらっても「美味しくない」と言われ続け、友人に食べてもらっても反応はいまいち。そんな日々が約2年近く続いたある日、友人から「金を出すから売ってくれ」と言われました。長年の試作を繰り返す中で味に対する家族のアドバイスを受け入れた結果、美味しく仕上がったと実感した出来事でした。これが現在では豚さがりに次ぐ人気商品に成長した、多田精肉店のウインナーとフランクフルト。地元の生肉のみを使うという発売時のこだわりは、今も変わっていません。

 商品化から35年近く経った「豚さがり」は発売当初の「みそ味」のほか「塩味」「スパイシー味」が加わり、好みに応じてさまざまな味が楽しめるようになりました。ソーセージも本格的な生産を続けるため、新たに食品衛生管理者の資格を取り、より一層美味しくなるよう鮮度にこだわり続けています。

 

  多田精肉店

 
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