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健康な野菜づくりには農薬も必要
「細胞密度の濃い、おいしいたまねぎを作る」と語る北川さん
天心農場「たまねぎ」 かみかわ南部
農家に生まれたことに感謝

 「北川、お前は恵まれているな」――天心農場を経営する北川和也さんは学生時代、友人からそう言われたことを今でも思い出します。「例えば、弁護士になりたいとか、医師になりたいと思えば、一生懸命勉強すればそれはそれで可能なんですよ。しかし、農業者になりたいと思っても、作物を育てる土地がなければ希望はかなわない。一度、サラリーマンをして1,000万円を貯めてから農業をしようと思っても、その程度のお金はすぐになくなってしまう。自分が農家に生まれたことは、非常に恵まれたことなんです」と北川さんは農家の息子であることに感謝します。


収穫が終わった畑の隅に並べられた、たまねぎのコンテナ

 

父親は営農指導のベテラン

 実家は中富良野町で百年以上続く野菜農家。長沼町で農業を営んでいた曽祖父が、水害に遭い、新天地を求めて富良野盆地の中富良野に移り住んだのが始まりだそうです。「初代のひいじいさんには、本当に感謝しています。よく富良野盆地を選んでくれた」と。北川さんは、先祖の選択が英断だったと思っています。

 地元の小中学校を卒業し、札幌光星高校に進学。卒業後1年間のブランクを経て、当時、東京都多摩市にあった農水省が直轄する農業者大学校に入学。原則として農業後継者だけを受け入れる学校で、3年間の学生生活のうち農家での実地研修は半年間のみ。それ以外はすべて農業の勉強に充てられました。

 故郷に戻った北川さんは、父親の光夫さんの指導の下、たまねぎを中心とした野菜の栽培をすることになります。実はこの光夫さん、ただものではありません。農協に営農指導の担当者として10年ほど勤務。この経験をもとに天心農場ではホワイトアスパラガス、グリーンアスパラガス、そしてまだ珍しかったハーブの仲間のチコリーや小さなたまねぎのようなエシャロットなど10種類を超える野菜栽培を手がけており、東京や札幌のレストランでも使用されている人気野菜の生産者なのです。

北川さんが手にするエシャロットもたまねぎと同様、自慢の一品たまねぎやかぼちゃの表面は、色が濃く、光沢があります。

 

野菜栽培への情熱が「小田賞」受賞に

 天心農場の名付け親も光夫さんです。“天心”つまり、「天の心」とは神を意味しているといいます。農業には、土を育てて、緑を育て、新しい空気を作るという「仕事」があります。また、雨水などが豊かな土を通ることで、水がきれいになるという浄化作用もあります。そして、最終的には食べ物を作るという仕事。この3つの重要な“仕事“をするのが農業ですが、お金がもらえるのは最後の作物だけ。つまり、空気を作ったり、水をきれいにすることに対してお金は支払われません。したがって、この部分はボランティアでやっていることになります。ボランティアというのは、神様の仕事というのが光夫さんの考え。それで「天心」を農場の名前に使うことにしたのだといいます。

 この野菜栽培にかける情熱と実績に対しては、平成19年5月に「小田賞」が贈られています。これは、帯広に本社を置く有名製菓メーカー「六花亭」の創業者・小田豊四郎氏が、現役を退く際に「北海道の食文化の発展」を願い、基金を設立したもの。平成15年9月に道から認証を受けたのを契機に、翌14年から「北海道の食文化に貢献したと思われる個人・団体」を対象に表彰を行っています。

 

良い野菜作りには、一定の農薬や肥料が必要

 光夫さんが表彰を受けたのは平成19年の第4回目。この表彰式の中で光夫さんは「私は野菜を作るときには、皆さんが子どもを育てるのと同じ気持ちで育てています。まずオギャーと産まれたら、お母さんのおっぱいです。野菜の赤ちゃんもミルクの肥料が必要です。このミルクの肥料が土の中に十分あるかどうかが大切」と語った上で、「赤ちゃんの時代に大切に育てるため、ミルクを有機にするというのが、私の考える有機農業です」と自説を展開。

 また、一部の消費者が、農薬も化学肥料も使わない野菜を要求していることについて「全生育期間を有機栽培でと言いますが、子どもを育てるとき、2つのおっぱいで20歳になるまで育てた人がいますか」とも語り、一定の農薬や化学肥料の使用は、作物中の亜硫酸窒素をなくすことにつながり、えぐみのない本物の味になるといいます。

天心農場では生の野菜のほか、加工食品も手がけていますなかでも、ハーブの一種・チコリーを使ったコーヒーやお茶は人気があります

 

新たな2品種の安定生産に成功

 そんな光夫さんの指導を受けている北川社長だけに、野菜栽培へのこだわりは人一倍。まず「水に浮くような野菜は作りません」ときっぱり。「食べて美味しい野菜は、細胞密度が濃くなるよう、健康に育てなければなりません。だから、子どもが風邪をひいたら薬を飲ませるように、一般の基準の範囲内で農薬も使います。そうすることで、安くて美味しい野菜ができます」と自らの栽培手法を語ります。

 たまねぎは種にもこだわります。道内では、ホクレンがたまねぎの種の流通の9割程度を扱っているといいます。「七宝」、「スーパー北もみじ」、「北もみじ2000」という3品種が主流。そんな中、天心農場では、東京に本社を置く日本農林社とタイアップし新品種の現地試験に協力しました。

 その結果、20年近くかけて「北海天心」、「玉灯り」という2品種を安定生産することに成功。現在は、料理人から美味しくて使いやすいといわれる天心農場特産のたまねぎが誕生しています。また、天心農場のたまねぎへのこだわりは品種だけではありません。中富良野町だけで行われているという、畑を水はけが良いように土の表面を整備する「レーザーレベラー」という機械を使い、表面水を排水するように、あえて勾配をつけた整備を行っています。水はけを良くするには通常、基盤整備が行われますが、多額の投資がネック。経済的負担の少ない方法で、たまねぎに適した畑となるように工夫しています。

 

消費者の「おいしかった」が一番の励み

 いまでは近隣の農地を借り上げるなどして、総面積60ヘクタール中たまねぎだけで13ヘクタールも栽培しています。たまねぎの年間生産量は約900トン(※平成27年現在)。道内はもとより、商事会社を通して遠くは名古屋にも出荷。作業はまだ雪の残る年明けから始まります。2月末までにハウス内で種まきを終え、その後、4月末からゴールデンウィークごろには畑への定植を完了。9月には収穫し、畑で乾燥させた後いったん倉庫に収納。翌年2月には出荷作業に入ります。取れたてをそのまま出荷する葉物野菜などと違い、1年がかりの大仕事です。

 天心農場の野菜はレストランからの引き合いも多く、とびきり食味が良いと定評を得ています。玉ねぎは辛味はあるが、煮込むと甘みがあり、他の食材の味を引き立てます。「『おいしかった』という消費者の言葉が一番の励みになる」という北川さん。曽祖父から数えて4代目の社長は「恵まれた環境」に感謝しつつ、野菜栽培に情熱を傾けています。

 

  天心農場


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