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最終更新日:2018年7月25日(水)


かみかわ「食べものがたり」: 壺屋総本店「き花」


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23年連続金賞受賞は、日本初の快挙
「き花」誕生について話す、村本専務
壺屋総本店「き 花」 かみかわ中部
日持ちがして、土産品にもなる商品

 「『手間が掛かっても、凝ったお菓子を作ろう』というのが最初の話だと聞いています。当時の壺屋は生菓子が中心で、日持ちのきく商品があまりありませんでした。それで、焼き菓子にしてはどうかということになりました」と「き花」開発のきっかけを話すのは壺屋総本店の専務・村本暁宣さん。

 新商品を手掛けることになった昭和50年代後半には、すでに帯広・六花亭が「ホワイトチョコレート」を、札幌の石屋製菓が「白い恋人」を発売し、スターダムへと駆け上る途中でした。壺屋総本店としても、土産品になる新たな商品開発が必要だったのです。

画像 き花
★「き花」(5枚入)760円(税込) (8枚入)1,161円(税込) 
香ばしい味とサクサク感が好評を得ています

 

価格ではなく、質で勝つ

 北海道のお菓子屋さんは、夏が閑散期と言われます。本州方面では、猛暑から少しでも逃れようと水羊羹や葛餅などの冷菓が好まれるため、忙しいのだそう。しかし、北海道では夏場はアイスクリームが夏の甘味の主流で、お菓子類に目が向けられることはあまりありません。

 この“暇”を逆手に取り新たなお菓子作りの好機と捉え、忙しいときにはできない手間暇を掛けたお菓子作りを目指そうと考えました。開発の中心メンバーとなったのは、当時40代半ばだった松元靖利さん。和菓子にも、洋菓子にも精通している根っからの職人です。

画像 工場での焼き上げ
アーモンドを主体にした生地を焼き上げる機械

 

歌人が注目した言葉

 新商品開発で一つのヒントになったのが、「霧華」(きばな)という言葉。壺屋はいまでこそ市内に11店舗のほか、札幌に5店舗など道内に23店舗を構えていますが、昔は買物公園に面した本店と市内数店のみでの営業でした。その1つ、「旭町支店」の2階にあったコマヤ薬局の主人である松田一夫さんは、平成19年度の旭川市文化功労賞を受賞した歌人。コスモス短歌会の旭川支部長として、短歌には深い造詣を持っていました。

 この松田さんと当時の壺屋専務の村本洋さんが知り合いだったため、お菓子の名前について話し合う中で、「霧華」という言葉が注目されました。「霧華」は元々、陸上自衛隊旭川第2師団に幹部として2度も赴任した斉藤瀏(りゅう)という軍人が、趣味の短歌で使った造語と言われています。斉藤氏は昭和4年、まさに「霧華」という歌集を出版しています。

 歌集の中で詠まれている短歌を見ると「東明のあかるい霧にほのかなる光あつめてさく霧華かも」。つまり、凍てつく朝の明るい光に輝くものが「霧華」ということになります。すなわち、現在でいうところの「ダイヤモンドダスト」が「霧華」なのです。

 

手作業を基本に商品開発

 この言葉を松田さんは大変に気に入っており、自ら平成19年に刊行した歌集のタイトルも「き花凍む街」。壺屋では「霧華」を分かりやすい文字に置き換えて「き花」とし、商品開発をスタートさせました。

 昭和4年に創業した壺屋は、創業5周年を記念して発売した「壺もなか」が大ヒット。お湯を注ぐとお汁粉のような風味になる「懐中しるこ」とともに、同社の基盤を築く商品として根強い人気を保っていました。また、生菓子や饅頭、そしてケーキも評判が良かったことから、定番商品を作った後の余った時間を利用して商品開発が進められることに。

 ダイヤモンドダストをイメージした試作品の製造を繰り返す中で、アーモンドを主体に、つなぎに小麦粉とバターを使用したガレットを焼き上げたところ、サクサク感とカリカリ感の食感がよい製品に仕上がったのです。これにクーベルチュールと呼ばれるカカオバター成分が多いホワイトチョコレートをサンドしました。専用の鉄板に、ガレットの生地を流し込み整形するのは、すべて手作業。7年ほど前にようやく一部が機械化されましたが、基本は「手間ひまのかかる」手作業です。 

画像 なな花窓館 壺屋総本店が運営する菓子舗「なゝ花窓館」(左)と動物の写真がデザイン化されたき花の旭山動物園バージョン

 

2度目の出品で、見事金賞を受賞

 苦心の末、昭和57年、ついに自信作「き花」は出来上がりました。店頭に出すと、これまでにない食感が受け、すぐに売り切れるほどの人気商品に。しかし「菓子屋というのは、作り手、つまり職人が強い体質になっているんです。余った時間でき花を作っていたため、数多く作るのは難しく、数年間は数量限定での製造を余儀なくされました」(村本専務)と言います。

 そこで当時の社長が発案したのが、ベルギーのブリュッセルに本部を置く、国際的な食品関係の品評機関「モンドセレクション」への出品。お菓子の賞といえば、有名なものとして全国菓子博覧会などがありますが、これは数点を選び総裁賞や内閣総理大臣賞を与えるというものです。

 これに対しモンドセレクションは、商品の品質に関するコンクールとして歴史のある最も代表的なもので、審査は味覚、衛生管理のほか、「パッケージに記載されている成分などが正しいか」あるいは「原材料に偽りはないか」などがチェックされます。採点の詳細は非公開ですが、確かな専門知識と高い能力を認められたスペシャリストが行うことから、「食のオリンピック」または「食のノーベル賞」とも言われるほど、高い権威を持っています。

 100点満点の総合点方式で、90点以上は「最高金賞」、80点以上が「金賞」、70点以上が「銀賞」、60点以上が「銅賞」と採点されます。壺屋では商品の品質に賞を与える姿勢、それも唯一ではなく品質を満たしているもの全てに与える所に共感し、昭和62年、初めてき花をエントリーしたところ銀賞を受賞。初の出品で賞を得たことは自信となり、翌年、翌々年は「金賞」、そして4回目の出品となった平成2年には見事「最高金賞」を受賞しました。

画像 モンドセレクション受賞マーク
お菓子の袋にはモンドセレクションのマークと連続金賞の文字

 

誇りと同時に、自らの戒めに

 その後もモンドセレクションへのエントリーを続け、平成26年も「最高金賞」を獲得。過去28回の出品で、金賞でなかったのは初年度のみ。以来、金賞4回、最高金賞23回と、27年連続で金賞を受賞しています。菓子類では日本初の快挙(同社調べ)であり、き花発売30周年を迎えた平成23年度には「日本一の最多受賞」として特別認定されました。

 村本専務は「一定基準の商品でなくては金賞はもらえない。受賞することは、職人にとって誇りであると同時に、戒めになります。しかし、賞を取ることが目的ではなく、お客さまに一定以上の品質の商品を届けたいという思いが、最高の品質を届けたいという思いに変わりました」と連続受賞の意義を解説。けっして手を抜かず、手間ひま掛けた結果がき花の誕生につながったと言えます。この精神は今後の菓子作りにも確実に伝えられていくことでしょう。

 

  壺屋総本店

 
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