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最終更新日:2018年7月30日(月)


かみかわ「食べものがたり」:菓子司すぎむら「ピウカ・ボッチャ」


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受け取ったバトンに思いを込めて
菓子司すぎむら2代目の杉村信人さん取材の依頼をした時、「口下手だし…」と心配されていたそう訥々(とつとつ)と語ってくださる言葉は、時に愉快で、飾り気がない分、素朴な人柄が伝わってきます
菓子司すぎむら「ピウカ・ボッチャ」 かみかわ中部美深町

ハルユタカとクリユタカ 二つのユタカで新食感

 平成22年6月、偶然、集まったのが中学時代の同級生3人。話題は、美深町を代表する新しい商品開発について。3人は美深町観光協会事務局長(当時は事務局員)の小栗卓さん、同じく事務局員丸山澄恵さん。そして、美深町役場商工観光グループから主査の野口良さん。美深町で同じ時代を過ごしてきた3人が、美深への思いを込めながら考えた新商品開発。それが美深観光協会の「観光食メニュー開発」プロジェクトでした。「美深の特産品でお菓子を作りたい」。3人は美深産栗かぼちゃのクリユタカと、美深産小麦ハルユタカにターゲットを絞りました。


画像 ピウカ・ボッチャ商品と観光協会丸山さん
★「ピウカ・ボッチャ」1本 155円(税込)、6本入 950円(税込) 

美深町・美深観光協会との共同開発
女性が手に取りたくなるお洒落なパッケージ名前はアイヌ語の美深「ピウカ」とカボチャをかけて「ピウカ・ボッチャ」写真左は開発に携わった美深町観光協会の丸山さん

 「お菓子作りのアドバイスがほしい」。そこで登場するのが、菓子司すぎむらの杉村信人さんです。杉村さんは、丸山さんらの意向に応え、丸いカボチャタルトを製作。その試作品を平成22年の旭川食べマルシェでモニタリングしました。結果は「美味しいけど、見た目がシンプル」。そこで、形を丸からスティックに。「スティックだと手も汚れないし食べやすい」と丸山さんの女性ならではの視点が反映されました。さらに、味に変化をもたせるためブルーベリージャムをプラスしました。

 試作は生のかぼちゃを使いましたが、それには問題がありました。まず、美深町産のかぼちゃに限定するには、通年で確保できないこと。生では日持ちがせず、お土産には向かないこと。それらを解決したのがかぼちゃのパウダーです。

 しかし杉村さんにとってパウダーを使うのは初体験。初めはパウダーを水で戻してみましたが、水分が多くうまくいきません。そこで、直接卵に混ぜることに。また小麦のハルユタカも、本来はパンなどに使う強力粉です。それだけでは硬すぎるので薄力粉と混ぜ、程よい食感に。上にはカボチャの種を蒔きカリカリと香ばしさを演出しました。仕上げは、クランブル(砂糖・バター・小麦粉を混ぜて砕いたもの)をかけてさらにサクサクとした食感を引き出します。こうして平成23年4月15日、1本の中に様々な味の交響曲が鳴り響くお菓子の誕生です。

画像 ピウカ・ボッチャ
カボチャの甘さやブルーベリーの甘酸っぱさ、サクサクのタルト生地と、色々な食感が楽しい杉村さん1人で作っているので、製造が追いつかないほどの売れ行きです


アドバイザーからいつしか主役に

実は当初、このプロジェクトは杉村さんにとって、まったくの他人事でした。「お菓子のアドバイスがほしいと言われたけど、まさか自分が作って販売するとは思っていなかった。でもだんだん、もしかして俺なのか?あ、やっぱり俺なんだ、って(笑)」それまでのやり取りを、冗談まじりに話す杉村さんと丸山さん。こうして新商品のバトンは、杉村さんに渡されました。

 とは言え、ピウカ・ボッチャはすでに杉村さん自身の作品になっていました。例えば、仕上げにかけたクランブル。これは食感の変化を狙っただけではなく、美深の自然を映し出したいという杉村さんの思いがありました。クランブルをかけることで、お菓子は淡いアイボリー色の衣をまといます。アイボリーから見え隠れするのは、カボチャの種の緑。それはまさしく少しずつ雪が解け始め、緑が芽吹く美深の雪解けの春。いつしかお菓子作りの主役になっていた杉村さんが描く春でした。

画像 ピウカ・ボッチャ製造中


 

父が作る美深銘菓を超える

 美深町には、もう1つカボチャの銘菓があります。美深と言えば、かぼちゃパイ。そのかぼちゃパイの考案者が、杉村さんの父「菓子司すぎむら」代表の杉村武信さん。菓子司すぎむらは創業40年以上の老舗店。かぼちゃパイは長年、美深町民に愛され、月2,000~3,000個売り上げるロングセラー商品です。「父のヒット作です。30年は売れ続けている。スゴイと思いますね」。その言葉の中に、父親への尊敬が表れます。

 杉村さんは、実はデザイン関係の学校を卒業し、デザイン会社に勤務していました。でも、「いつかはやらなきゃならないだろう」と心の片隅にあった思いに導かれるように、25歳の時、菓子職人の道を歩き出しました。様々な店で働きながら仕事を覚え、36歳の時に美深町へUターン。

 今も現役で調理場に立ち、ひたすらお菓子を作り続ける父親も、新商品開発を影ながら気にかけていました。「試作品もこっそりと食べていたようです」。それまで味の評価は口にしなかったけれど、完成品ができた時「よし」と一言。

 その後、ピウカ・ボッチャは期待以上の売り上げを見せ、発売後4カ月で2万個を販売。「ピウカ・ボッチャの発売は、まだこれと言った代表的なものがなかった自分にとって、ありがたかったですね」としみじみ語る杉村さん。父のかぼちゃパイとともに、「美深と言えばピウカ・ボッチャ」。そう言われる日も遠くはありません。

画像 かぼちゃパイと店舗外観
 

 

お菓子作りは自己表現の場

 「親のカラーも大切にしていきたいと思っています。今のお客様は自分についているわけじゃない。父親が築いてきたもの。残しておくべきものは大切に残していきたい。いずれは自分のカラーも出したいとは思いますが」。

 それでも、杉村さんのカラーも着実に広がっています。取材中も子どもの誕生日に車の形をしたケーキが作れないかと、訪れる方がいました。要望に応えて様々なキャラクターのケーキ作りに挑戦している杉村さん。美深の町民に新しいスイーツの楽しさを提供しています。

 「お菓子作りは自己表現の場。食べ物は食べられれば良いというものではないですから。目で見る部分も味付けも、すべての中で自分を表現しています」。そしてそれは、思いを込め表現する部分と、否応なしに自分が出てしまう部分があります。「雑な人なら雑さが。いい加減な人なら、そのいい加減さが出てしまう。変なものを1回出しただけでも、信用や評価を落としてしまう。判断は食べた人が決めることですが、そこに自分の思いを込めて、それが伝わるかどうかですよね。自分たち作り手は、そこに込めるしかないですから」。それまで、飄々(ひょうひょう)としていた表情が真剣な目に変わりました。



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