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ホーム > 産業振興部 > 商工労働観光課 >  かみかわ「食べものがたり」: 平田こうじ店「仙年みそ」


最終更新日:2016年3月23日(水)


かみかわ「食べものがたり」: 平田こうじ店「仙年みそ」


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(ジャンル)食べものがたりトップページ > 調味料・ジャム > 平田こうじ店
平田こうじ店
「味噌は1回仕込むと後から味をつけることもできない」1回1回が真剣勝負の味噌作りをする、平田こうじ店代表・平田康高さん
平田こうじ店「仙年みそ」 かみかわ中部東川町



 午前3時、平田こうじ店の大きな釜に火が入ります。

 平田こうじ店4代目平田康高さんの早い朝。麹(こうじ)の仕込みの日は午前2時から始め、工程に4日かけます。5日目の味噌づくりは午前4時から釜に火を入れ、大豆を煮ます。

 大正13年創業の同店は、元々は麹の専門店。昭和58年から3代目が味噌も作り始めました。その時、平田さん22歳。3年ほど手伝った後転職。40歳の時、3代目が亡くなったのをきっかけに、平田さんの朝は早くなりました。

 麹は室(ムロ)で自然発酵させます。難しいのは温度調整。麹自体が持つ熱で温度が上がるので、熱を逃すため窓と天窓を開けて空気の流れを作ります。

 「良い麹を作るためには、手間をかけること。作業は単純だし素材も単純、そこにいかにオリジナリティを出すかだね」と平田さん。また一般的に本州の味噌作りは大豆を蒸して使っていますが、同店では煮ています。煮ることにより、大豆の旨み成分が煮汁にたっぷり溶けだすのです。その煮汁を麹と混ぜて攪拌。旨みが出ている煮汁を混ぜることで、より美味しさが際立ちます。


 




 美味しさの秘密は、味噌の軟らかさにもあります。「親父が軟らかく作っていたからね」。軟らかい味噌は水分を含んでいるので、ザルに開けて一晩置き、水分を落とします。跡を継いだばかりの頃、平田さんにはこのひと手間の作業が無駄な気がしていました。そこで、初めから硬めの味噌に変えてみました。

 でも、即座に「美味しくない」と、お客様からの苦情が。「無駄というものはなかったんだ」と平田さんは気づきます。軟らかい味噌は甘み成分の麹が溶けやすく、麹、大豆、塩が良く絡み合い、まろやかに。反対に硬い味噌はパサパサ。また、煮汁をたっぷりと入れていることで、味噌の密封度が高く空気も入りません。「やるからには、やるだけの理由がある。それは長い間の積み重ねの中で培った方法。軟らかく作るにはそれなりの理由があったというわけです」。それは、自分が造るようになってから知った、父の偉大さでもありました。


 




 「子どもだからさ。1年間育てた子どもだから、美味しい子になってほしいと思うよ」。味噌の出来具合に最大の影響を与えるのが水です。東川町の生活水は、大雪山の美味しい伏流水。「うちの味噌はこの場所にいるからこそできる味。水が最大の調味料ですね」。

 種麹は秋田産、米は北海道産。大豆は上川管内の「とよまさり」(中粒大豆)。同店の味噌は麹の量が多いのも特徴です。材料も作り方も、全て受け継がれてきたもの。「代々のやり方は変えない。原料も1つ変えると、味噌の味が変わってしまう。何かを変えると、味が変わる。それが一番怖い」。

 味噌は1年寝かせるので、1年後でなければ結果が判りません。1年後、万が一ダメな時にはどうするのか?平田さんの選んだ道は、全廃棄でした。今までにも、何度か苦い経験をしています。「3日間、悩んで決めました」。捨てたからといって、別のものをすぐに補充はできません。今作っているのは、1年後のため。廃棄とは、その1年間を捨てること。その間、売るものがなくなってしまいます。売ろうと思えば売れる味噌。それでも、納得のいかないものは出せませんでした。




 一言に味噌といっても、様々な種類があります。

 「天日塩みそ」は、最初の3年間は売れませんでした。それが今は人気商品。ヒントは、塩にありました。ある場所でご馳走になったお味噌汁がとても美味しかったので何を使っているのか聞いたら、「赤穂の塩」だといいます。早速、その塩に変えると「塩を変えるだけでこんなに味が変わるんだ!」と発見しました。

 玄米で麹を作った玄米味噌は、コクがあり甘さが際立ちます。数量限定の人気商品です。玄米のままだとツルツルして麹がつかないので、玄米を少しだけ精米して傷をつけ、その傷から麹菌が入るようにして発酵させています。

 柔らかい味噌は1年寝かせると水分が下に溜まります。そのたまり汁を万能液として販売。以前から平田さんの家では使っていましたが、家で使うだけではもったいないほど美味しいので商品化しました。浅漬けの素、煮物、鮭の味噌漬け、おでん、鶏肉を漬け込んでグリルで焼くなど使い方はあれこれ。万能に使えるので、すぐ売り切れるそう。さらに、「昔からあるものを守りながら、これから新しい商品開発をしていきたい」と平田さん。これからの新しい味噌との出合いが楽しみです。


★「仙年みそ 天日塩みそ」500g 490円(税込)  ※北のハイグレード食品+2014認定
★「玄米みそ」 500g 520円(税込)
 
★「たまり汁」200g 250円(税込)
 
★「塩こうじ」 250g 680円(税込)
 

大雪山から湧き出る水を使い、道産米・道産大豆にこだわり無添加で作っています
手間をかけ手作りした麹をたっぷり使い、1年以上熟成させたまろやかな味噌長年培われた技術が生んだ、究極の味ですたまり汁は、味噌屋さんだけが知っていた味噌の旨みが詰まった調味料





 一時、道産大豆が値上がりして困った時期がありました。輸入物を使おうかと迷いましたが、「道産大豆使用」と謳っているのに、それではお客様を騙すことになります。平田さんは頑張って道産大豆を使い続けました。「正直者でないといけないのさ。正直に商売をしていたら、大儲けにはならなくても、“商売を続けられる”というご褒美をくれる。今までも、正直だから続けてこられたと思うよ」。

 同店では2kg以上の購入で、旭川全域に配達してくれます。届けるのも平田さん自身。お客様の顔を見て、直接言葉を交わす。「その一言二言、交わす言葉が大切なんだ」。そこから商品のヒントや評判がダイレクトに伝わります。1回ダメなものを出すと、お客様はなかなか戻ってはきません。1番怖いのは、苦情も言わずに黙って離れていかれること。平田さんは、そのためにも自分で配達をしています。「顔を合わせていれば、言いにくいことも心配だからこそ言ってくれる。言ってもらえれば、直せる可能性も出てくる。それに気づくようなアンテナを張り巡らせているんだよ」。90年の歴史を守る。そのためには、何をしなければいけないかを平田さんは考え続けます。

 「味噌作りは自分に最終的にあてがわれた仕事だと思っている」。初めは嫌で仕方なかったこの仕事。でも平田さんのもとに届く“美味しかった”の声。働くことは、やがて平田さんの中で喜びに変わっていました。



  平田こうじ店 ショップ情報


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