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最終更新日:2018年8月02日(木)


かみかわ「食べものがたり」: 新田ファーム「鷹栖牛」


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(ジャンル)食べものがたりトップページ > 肉類・卵 > 新田ファーム
「大事に食べてもらうからな」そう声をかけトラックに乗せる
「この仕事は、やっていて絶対飽きない相手は生きているのだから、同じ日がない」と株式会社新田ファーム代表取締役の新田広一さん
新田ファーム「鷹栖牛」 かみかわ中部鷹栖町

鷹栖で生まれ育った鷹栖ブランド

 「鷹栖ブランドの商品を作りたかったんです。せっかく肉牛をやっているのだから、こだわりたかった」。鷹栖町の山裾、のどかな自然の中で草を食む牛を見つめながら、株式会社新田ファーム代表取締役、新田広一さんは語ります。

 もともと黒毛和牛は小さく生まれる性質があり、ホルスタインの初産用の種付けに使われていました。ホルスタインのメスにホルスタインのオスをかけると、赤ちゃんが大きくなりすぎて、出産が大変です。初産のリスクを小さくするために、ホルスタインの初産に黒毛和牛をかけ、生まれた子牛は売る。それは、祖父の代から乳牛牧場を営んでいた新田さんの家でも同様でした。

 牧場の3代目として育った新田さんは小さい時から、黒毛和牛との交雑牛が生まれても、育てることなく買われていくのを見ていました。「どうして育てないで売るのかな?」小さな少年の胸に生まれた思い。その思いが、牛飼いとして生きることを決めたとき、胸の中に再び浮かびました。

 「酪農をするなら、その中で自分でやりたいことを見つけよう」。そう決心していた新田さん。父のもとで酪農家を志して、5年目。胸にあった思いを実現させようと動き出し、肉牛を扱う新田ファームを新たに立ち上げました。

 新田ファームの牛は、ホルスタインのメスに黒毛和牛の種をつけ人工授精させた肉用種交雑種。新田さんが交雑種を選んだのは、あくまでも「鷹栖産」であることにこだわったから。自分の牧場で種をつけて産み育てる。全て鷹栖産であること。それは、鷹栖ブランドを育てるために必要なことでした。

 育てるのは、肉に繊維質があり美味しいメス。黒毛和牛のオスは気性が荒く、一緒にいるとメスに危害を及ぼすので、オスが生まれると売りに出されます。種付けが上手くいかない時には、同じ鷹栖町の牧場から子牛を買い付け。そこでも、あくまでも鷹栖生まれにこだわります。

画像 牧場で草を食べる牛



牛本来の自然な姿で

 「初出荷の時は、めちゃくちゃ辛かったですね」。新田ファームとして、最初に出荷した牛のことを思い出す新田さん。「出産も、自分が母牛から引っ張った牛でした。ミルクも自分であげて育て、時間があると体をこすってやった」。新田ファーム、第1号の牛を積み込んだトラックを見送る新田さんの目には、涙が浮かんでいました。

 「小さい時はできるだけ自由に。放牧をさせストレスなく育ててあげたい。太りすぎて膝が悪くなるとかわいそう。最後まで元気なまま出荷したい」。肉をたくさん取るためにただ太らせるのではなく、本来の牛としての生活をさせてやりたい。その思いは、出産方法にも表れます。

 出産を控えた牛は、牧場内を自由に歩き回り運動しています。牛も人間と同じで、ある程度動いている方が出産の時が楽なのです。冬は小屋の中ですが、夏はそのまま自然に草原の中で出産を迎えます。「できるだけ自然に本来の牛らしい産ませ方をしてあげたい。牧場が広いので、いちいち見に行かなくてはならない手間はかかりますが、牛にとってベストなら、それが一番」。まずは、牛がストレスなく過ごすこと。それが新田ファームのルールです。

 水は地下水を使い、冬はぬるま湯にして飲ませます。エサも鷹栖産の稲わら、くず大豆や麦、トウキビを発酵させたもので自給飼料。自給飼料のほうが、年間通して同じエサを与えられ、栄養の管理がしっかりできるからです。

 牛をいじめることなく育てた肉は、牛独特の臭みもなく、固いというイメージのあるもも肉の赤身でさえも柔らかいと評判です。

画像 牛舎と鷹栖牛
現在、出荷するのは年間30頭前後市場には出回らず、自社のホームページからのネット販売か、東鷹栖にあるJAたいせつ農産物直売所、鷹栖町内で販売肩ロース 2,250円、バラ・ウデ・モモ肉 1,750円(各税別)など臭みがなくて食べやすい、柔らかい肉です4月~9月は焼肉用、10月~3月はすき焼き・しゃぶしゃぶ用など用途別の肉も用意されています

 


生き物だから、妥協はできない

 「当時、祖父が深川から牛を引っ張って歩いてきたと聞いています」。もともと祖父が2~3頭から始めた乳牛専門の酪農。新田さんは、「10年ぐらいは、人に使われる経験も大切」と父親に言われ、高校を出てから建材店に勤務。しかし2年後、父の病気で急遽退社し家を手伝い始めました。

 「僕も親父も動物が好きだから、この仕事が嫌じゃなかった。小さい時は牛臭いと、からかわれる事もあったけれど、牛がいるんだから、臭くて当たり前。生きているんだから、人間と同じ。それで、第一次産業を担っているなら良いと思ったんです」。その生きるものへの慈しみは、仕事への責任感へと変わります。「生き物だから、妥協はできない。口があるから、365日エサをやらなきゃいけない」。新田さんの中に、父親と出かけた旅行の思い出はありません。「いつも、親父は留守番でした」。そして今、父と同じ背を見せて働きます。

 「肉牛をやることにした時、親父は反対するどころか、自分と同じことをするんじゃなくて、やりたいことをやれと言ってくれた。そういう親父なんです」。小さい時から見て学んできた、父親の働く姿。その姿を超えるために、「親父と同じじゃないぞ、という部分も見せていきたい」。肉牛への挑戦は、その1つの方法でもありました。

画像 牛丼とソフトクリーム店舗
たかす丸山パークゴルフ場内のソフトクリームの店「モゥーちゃん家」で「鷹栖牛」の牛丼を販売
生まれも育ちも鷹栖町にこだわった特選牛肉
ゆったりと大自然の中、自家製粗飼料で少数を大切に育てています(鷹栖町21線14号/営業期間:4月初旬~11月上旬) 



北海道全体として考える

 十勝共励会にも出荷し、積極的に生産者に声をかける新田さん。「自分でこだわりを持っていても、人の話を聞くといろいろなやり方があって勉強になります」。新田さんが、たくさんの人と交流しようとするのは「みんなで良い所を共有し合い、北海道全体の肉牛を良くしていきたい」という思いから。目指すのは、自分のところだけが売れるのではなく、北海道全体の肉牛の評価が上がることです。

 「大量には出せませんが、しっかりとした育て方をしています。食べる機会があれば大切に食べてほしい。ありがとうという牛への感謝の気持ちで食べてほしいですね」。人間の都合で殺してしまうのだから、無駄にはしたくない。新田さんが、愛情こめて丹念に育てたのは、紛れもない命。

 「大事に食べてもらうからな」。新田さんは、そう声をかけながら、必ず自分でトラックに積み込みます。最後まで自分の手で。それが牛への思いです。


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