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最終更新日:2016年3月23日(水)


かみかわ「食べものがたり」: 松山農場「白樺樹液 森の雫」


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(ジャンル)食べものがたりトップページ > 飲料・酒類 > 松山農場
松山農場
「それまで自分がやっていた仕事の発展性に疑問を持っていた時でした新しい仕事をやってみたかった」と、白樺樹液を始めたきっかけを語る有限会社松山農場代表の柳生佳樹さん。 
松山農場「白樺樹液 森の雫」
かみかわ北部美深町



 まっすぐに天を仰ぐ2,000本の白樺。根を広げた大地の底から、汲み上げる命の水。それが白樺樹液「森の雫」です。

 「森の雫」を販売しているのは、羊の牧場「松山農場」。きっかけは同農場の代表・柳生佳樹さんが昭和60年頃に行ったカナダ旅行でした。お土産にあちこちで売っていたメイプルシロップ。「日本でも、メイプルシロップを採って仕事にしたい」。そう思った柳生さんは、ご自分の母校である北海道大学の寺沢実教授(当時は助教授)に相談しました。

 「良いシロップが採れる樹木は日本にはない。これから木を植えて育てても、シロップが採れる頃にはあなたはもうこの世にはいませんよ。それよりも白樺から良い樹液が出るから、清涼飲料水にしてみたらどうですか?」と寺沢教授。それは、まだ誰も手をつけていない未開の領域。誰も足跡をつけていない雪道を、柳生さんは歩き出しました。

 「誰もやったことのないことをやりたいんです。人がやっていることの後にはついて行きたくない。人のやっていないことをやりたがるから、苦労するんですよね」と苦笑い。

 「ろ過して殺菌すればできるだろう。これなら設備投資をしなくても済む」。そう簡単に考えていた柳生さんの期待はすぐに裏切られます。取りあげた樹液には、白い沈殿物がふわふわと浮いているものがあったのです。到底このままでは売れません。

 それからが大変でした。沈殿物の正体は燐酸カルシウムや植物性タンパク質。飲んでも影響はありませんが、見た目がよくありません。沈殿物を取るための技術を追求し、その設備を作るまで5年の歳月がかかりました。

 それまでの間は、例えば年間10万本作っても、商品になるのは3万本。あとは捨てるしかありません。「初めの5年間は、商売になるかも判らなかった。でも、諦めはしない」。柳生さん、38歳の時でした。





 雪解けの北海道の早春。白樺の幹に毎年新しい孔を開けます。直径2cmほどの孔から無色透明な樹液が流れてきます。春の開葉のための養分となる命の水が白樺樹液です。白樺の樹木自らがポンプとなり地下から汲み上げた樹液を、根細胞によりろ過。1本から約3~4リットルの樹液を採取します。樹液が溢出する時期が過ぎると、幹に開けた孔に殺菌した木の栓をします。樹木の神秘に感謝しながら。

 白樺樹液が取れるのは、4月中旬~5月初旬。白樺が活発に芽吹くまでの、わずか3週間しかありません。芽が吹いてしまうと、下から樹液を引っ張る力が強くて、樹液は出てこないのだそう。その溢出機構は、まだ詳しくは解明されていない謎のままです。

 日本で採取されている白樺樹液の90%がなんと松山農場産です。清涼飲料水の「森の雫」だけではなく、化粧水にも使われ、白樺の抗菌性と潤い成分が肌を健やかに保ちます。松山農場では年間80~90トンを採取し、30トンが飲料水、60トンが化粧水に使われています。成分は、果糖、ブドウ糖などの糖分、アミノ酸、リンゴ酸などの有機酸、たんぱく質、ミネラルなどが含まれ、かつてはアイヌ民族の方たちが健康飲料として飲んでいたものです。


★「森の雫」 180ml 302円(税込) 

無添加で白樺樹液100%の清涼飲料水。カルシウム、カリウムなどミネラル類が豊富に含まれています。
 





 自然に囲まれた牧場生活に憧れていた柳生さんは、北海道大学農学部を卒業後、帯広の肉牛牧場に就職。その後独立し、幌延町でアンガス牛の肉牛牧場を開きます。3年後、基盤を故郷の美深へ移します。その間に小樽で農産物の問屋を経営していた父親が亡くなり、父の会社と牧場の二足のわらじを履くことに。しかし、昭和62年に牛肉の輸入自由化が決まり、酪農に危機感を抱いた柳生さんは、赤身の多いアンガス牛での商売は厳しいと考え、牛から羊へ転換しました。

 カナダから羊を10頭仕入れ、それが2~3年で200~300頭に増加。青草を食べさせると生臭くなるので、エサはとうもろこしを中心に育て、12~24カ月までのホゲットと呼ばれる時期に出荷します。柔らかいが淡白なラムと、味の深みがあるが硬いマトンの中間、その両方の良さをあわせ持つ味がホゲットです。羊の独特の臭いはあまりしません。さらに平成5年からは、ヨーグルト、ソフトクリーム、アイスクリームなど羊乳の乳製品を作り始めました。

 「人に任せていても発展しない」。平成7年には問屋をやめ、現在の美深町字仁宇布に移転。ファームインを建て、牧場1本に絞りました。「都会のデスクワークで、売った買ったというのはしたくなかった。山の中で、こういう暮らしが好きなんですよ」と柳生さん。たくさんの羊に囲まれて、その魅力を発信し続けています。


雪解けの早春にしか採れない白樺樹液木々が開花、開葉するために必要な養分を含んでいます地上50cmほどのところに、直径2cm、深さ4cmの小さな孔を開けると、そこから溢れ出てきますそれをろ過し、殺菌しました北海道の多くの観光地で売られています。 





 ファームインにもなっている柳生さんのお宅は、大きな窓から見えるロケーションに魅了されます。緩やかな線を描く山々、流れる雲、草を食む羊。家の裏には、凛と空を仰ぐ白樺林。「朝起きて、この風景がある。羊がそこにいる。これを見るだけで最高の贅沢ですよ。羊が草を食む姿は、見ていて心が和みます」。羊で生計を立てていくのは大変なことですが、羊の可能性を広げていきたいと、最近は皮を使い羊皮紙の開発を考えています。

 また、村上春樹『羊をめぐる冒険』の舞台のモデルとして認知されてきたため、多くのファンが訪れるようになりました。宿泊施設「ファームイン・トント」での朗読会を中心としたイベントも行っています。

 「白樺樹液も決して安くはありませんが、長い間飲んで下さっている方もいます。皆さんにも生の樹液をもっと飲んでもらいたい」。森に生きる木々の命の水、白樺樹液を多くの人に飲んでみてほしいと、松山農場では毎年4月に樹液祭りを開催。各々が森に入り、利き酒をするように色んな木の樹液を味わいます。1本1本の樹によって、微妙に甘さや味が違う樹液。その自然の味を楽しむために、約300人もの人が参加します。

 木々の息づかいの中で飲む、森の命の水は、体の奥に染みていきます。



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