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ホーム > 産業振興部 > 商工労働観光課 >   かみかわ「食べものがたり」: 有限会社 藤井牧場


最終更新日:2016年3月23日(水)


 かみかわ「食べものがたり」: 有限会社 藤井牧場


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代表取締役社長の、藤井雄一郎さん。「牛一郎」の名前で登場することも多いです。代表取締役社長の、藤井雄一郎さん。「牛一郎」の名前で登場することも多いです。
有限会社 かみかわ南部

タイトル

 藤井牧場は、富良野市麓郷で110年以上続く酪農一家。社長の雄一郎さんは5代目に当たります。
 チーズ工房を切り盛りするのは妹のあゆ美さん。まったくチーズ作りの経験がなかったあゆ美さんは、上士幌町の農業高校の元教員でチーズ作りの名人だった方に基本を学び、宮城県蔵王にある酪農センターで技術を磨きました。「まるで化学の実験のようだった」と笑います。
 2年目までは、思うようなチーズができない日々も続きました。その都度原因を探り改善していったことで、3年が経つころからようやく理想のチーズが安定してできるようになったそうです。

 雄一郎さんが学生時代に学び、最も大切にしている「ミルクは牛の幸せがあふれたもの」という言葉そのままに、チーズというかたちで牛の幸せを私たちの食卓へ届けてくれています。

左から「モッチャレラチーズ」「ふぞろいなさけるチーズたち」「さいしょはゴンダチーズ」。ユニークな品名と特徴あるイラストのパッケージが印象的。
★左から「モッチャレラチーズ」「ふぞろいなさけるチーズたち」「さいしょはゴンダチーズ」。ユニークな品名と特徴あるイラストのパッケージが印象的。


タイトル

 雄一郎さんがチーズ工房を始めたのは、牧場で生活する牛たちの幸せを共有し、食べた人も幸せになってほしいと考えたから。大学や海外で酪農を学んでから富良野に戻り、平成21年に代表取締役に就任した際、牧場の経営は傾ききっていました。大規模化を進めたものの計画通りに行かず、牛の管理に注意が行き届かず病気が多発しました。

 「あの時の牛の悲しそうな鳴き声が忘れられない」と雄一郎さん。 在学中に学んだ「牛の立場に立って牛の幸せを追求する」という言葉を本当の意味で理解することになったといいます。

 例えば牛舎の清掃を1日1回から3回に増やす、出産時の事故を減らそうとこまめに見回るなど、とにかく牛たちに寄り添うことにしたのです。
 もちろん、負担は何倍にも膨れ上がりました。それでも1年続けると経営状態が少しずつ上向き、スタッフもハードな業務をこなせるまでに成長していきました。

  「本当に基本的なことを忘れていたんです。牛を幸せにできれば、その結晶であるミルクは自然とあふれてくることを実感しました。幸せのかたまりであるチーズが皆さんの食卓に日常的にあれば、もっと幸せをお届けできると思っています」。

牧場内は牛舎独特のにおいがほとんどしません。寝床はなんと砂。わらよりも柔らかく、乳房に負担をかけにくいため、乳房炎になりにくいそうです。
牧場内は牛舎独特のにおいがほとんどしません。寝床はなんと砂。わらよりも柔らかく、乳房に負担をかけにくいため、乳房炎になりにくいそうです。


タイトル

 チーズ工房の存在や、ソフトクリームを提供していることでのメリットは他にもあります。牛乳は直接消費者の手元に届くことが少ないものですが、その場で感想や反応を得ることができます。これは、牧場で働く社員の皆さんの大きな励みになっているのです。

 「労働の対価って、お金だけではない。外部から評価されることの少なかった酪農家にとって、美味しかったよって直接言ってもらえることは本当に幸せなことなんです。頑張ってくれているスタッフのことをもっと知ってもらいたいと思っています」と雄一郎さん。

 牛の幸せがあふれたミルクで作ったチーズが、食卓に運ばれてお客様の幸せとなり、美味しかったという一言が作り手の幸せとなる。
 幸せの循環を作り出すことが、牧場の仕事の一つでもあるといえるかもしれません。

(左)取材の数日前に生まれたばかりという子牛も。月齢や状態ごとに牛舎を分け、徹底した管理がなされています。
(右)住宅兼チーズ工房。麓郷の自然によくなじみます。
(左)取材の数日前に生まれたばかりという子牛も。月齢や状態ごとに牛舎を分け、徹底した管理がなされています。
(右)住宅兼チーズ工房。麓郷の自然によくなじみます。


タイトル

 酪農大国でもある北海道には多くのチーズ工房があり、藤井牧場と同じく、自社工房でチーズを製造している牧場も少なくありません。いかに消費者に藤井牧場のチーズを選んでもらうかを常に考える必要があります。その方法の一つが、「誰でも食べられるチーズであること」です。

 「よく、食べやすいとは仰っていただけますね。妹自身も香りの強いチーズが苦手なので、彼女が食べられるチーズなら、より多くの方の口に合うのではないかと思って作っています。チーズの本場である、フランスやイタリアのチーズにはいくら真似しても敵うものではありません。何百年の歴史があるわけですから。それなら、うちのミルクでできる究極の美味しいチーズを作ろうと」。
 さらに、ユニークなネーミングやかわいらしいイラストをパッケージにし、親しみやすい商品にすることで、消費者が手にとってくれる機会に繋げています。

 最後に、雄一郎さんが夢を語ってくれました。
 「チーズは、その土地の名前がつくものなんです。いつか『フラノ』という名前のチーズが世界に知られるようになったら、素晴らしいと思いませんか」。

 北海道のポテンシャルは世界に通用する。
 その道を拓く、開拓者魂がここにはありました。

 

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かかみかわ中部かみかわ南部http://www7a.biglobe.ne.jp/~creamery-gnome/