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最終更新日:2016年3月23日(水)


 かみかわ「食べものがたり」: 有限会社助安農場


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熟成を待つ菌床の並ぶ、シイタケのハウスで語る社長の助安誠二さん。
熟成を待つ菌床の並ぶ、シイタケのハウスで語る社長の助安誠二さん。
有限会社助安農場 かみかわ中部
タイトル

 鷹栖町市街地から車で約5分、風に揺れる黄金色の稲穂の中に、助安農場があります。米の他、トマトやピーマンなどの野菜約22品目を生産しており、中でも注目を浴びているのが、冬季限定のシイタケ。大人の手のひら大ほどもある、ジャンボサイズです。
 「誰もこんな大きなシイタケ作ってないしょ。面白いなって手にとってもらえるんだよ」と笑うのは、代表取締役社長の助安誠二さんです。
 シイタケ栽培に挑戦し始めたのは平成21年のこと。生食での販売が軌道に乗った2年目から、さらに付加価値を高めるため、スタッフの発案によってシイタケをパウダーに加工しています。

「椎茸パウダー」60g 648円(税込)。料理にそのまま加えるだけでいい出汁が出ます。
右は、同じジャンボシイタケを乾燥したもの。
★「椎茸パウダー」60g 648円(税込)。料理にそのまま加えるだけでいい出汁が出ます。
右は、同じジャンボシイタケを乾燥したもの。

 

冬期の雇用の確保が目的

 助安さんは同農場の三代目。祖父の代に四国から入植し、昭和52年に有限会社となりました。稲作中心に続いてきた農場を助安さんが継ぎ、平成12年から畑作にも力を入れ始めます。きっかけは、コープさっぽろの店内で始まった「ご近所やさい」という、地域の農産物を扱うスペースへの出品を打診されたことでした。

 「スタッフが丹精込めて育てた新鮮野菜を、自分たちで納品して専用コーナーに並べました。そんなやり方は初めてだったよね。4時間おきに品目別の売上データが送られ、それをもとに翌日の納品に備えていた。どれだけ売れたのかが一目瞭然でしょ。これが、今の販売スタイルに繋がったんだ」。
 農場では、今でも旭川近郊のスーパーと直接取引をして野菜を納品。翌朝、また新鮮野菜を納品に行くというやり方で販売を続けています。

 とは言え、助安農場も冬は野菜が作れません。そのため、従業員の多くは夏季限定の季節雇用でした。
 「働く人が毎年変わるので、そのたびに一から仕事を教えなくてはいけないんだよね。慣れた人がいてくれるだけで心強いもの。それなら、年間通して雇用できるよう、冬に対応できる作物を育てようと考えたんだ」。
 そこで助安さんが選んだのがシイタケでした。

 

タイトル

 現在の市場では、Mサイズのシイタケが一般的。そのため大きすぎても小さすぎても価格が下がってしまいます。ところが助安さんはそこを逆手に取り、カサの大きさが10cm以上はあろうかという、市場ではお目にかかれないようなシイタケ作りにこだわりました。もちろん農薬は使いません。

 「この大きさで肉厚、かつ味も良いものにするためには、普通の温度・湿度管理だけではダメ。交流を持つ大学の教授や菌床産業の担当、さらに先輩生産者にノウハウをいただいて、ジャンボシイタケが生まれたんだよ」と助安さん。

 ところが、大きいシイタケは大味だと思われたのか、最初の1シーズンはあまり売れませんでした。それでも、食べてくれた人の口コミなどで次第に売上も伸び、メディアにも取り上げられるようになり、今では同農場の人気商品の一つに成長しました。
 5年間は120坪のハウス1棟で生産していましたが、追いつかなくなり、6年目から2棟に増やしたほどなのです。
 また、平成27年からは、2種類のシイタケが店頭に並びます。味は良いけれど育成期間が長いという理由で、あまり作られなくなった幻の品種に取り組み始めた助安さん、ここにも「誰もやってないから」という冒険心が表れていました。

 ちなみに収穫の終わった菌床は、畑に使う堆肥に加工されます。この堆肥を使うようになり、野菜の美味しさが増したのだとか。すべての畑に使うには量が足りませんが、毎年違う作物の畑に使っていく予定だといいます。シイタケ栽培は、農場全体の地力を上げることにも一役買っているのです。

10cmをゆうに超える大きなカサが特徴。歯ごたえがあり、旨みもたっぷり。
10cmをゆうに超える大きなカサが特徴。歯ごたえがあり、旨みもたっぷり。

 

タイトル

 助安農場のポリシーは、「新鮮なものをお届けすること」。
 野菜もそうですが、このジャンボシイタケは、なんとたった1日しか店頭に置かれません。翌朝の納品時に残っているものはすべて引き上げ、乾燥シイタケやパウダーに加工するのです。
 「少しでも新鮮なうちに加工しなくちゃ、味が落ちるからね」と笑う助安さん。それができるようになったのは、栽培を始めて2年目でした。総栽培量の約6割は、望むジャンボサイズに作れるようになったのです。

 乾燥施設は自社で用意し、乾燥シイタケはパック詰めまで行います。乾燥させたものを専門業者に依頼して製粉し、製品を納品してもらっています。
 料理にも使いやすく、鷹栖町などの地元団体も景品やギフトとして使ってくれるようになり、人気が高まっているそうです。


タイトル

 「椎茸パウダー」には、農薬を使わずに育てたジャンボシイタケ以外のものは加えられていません。椎茸そのものの味を楽しめるだけでなく、自然食品であるという強みがあります。
 「お吸い物や卵焼きの出汁として、粉のまま加えるだけで美味しくなるよ。シイタケの食感が苦手という人も、シイタケの旨みを味わってほしいんだ」と助安さん。

 冬の仕事を生み出すために始めたシイタケ栽培は、農場にたくさんの可能性をもたらしています。

農場で働く皆さん。中央が助安社長。
農場で働く皆さん。中央が助安社長。

 

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