こうした活動の中で、旭川の魅力の一つとして開発した「福吉らて」。材料として使われているのは、昭和20年創業の茶葉販売店『吉川園』の宇治抹茶に牛乳、そして昭和23年から製餡業を営む『福居製餡所』が丹精こめて作った上川産「しゅまり小豆」のあんです。
吉川園は緑茶をたしなむ文化を現代風にアレンジしようと、緑茶カフェも経営。福居製餡所は、あんが苦手でも「福居さんのあんこなら食べられる」という人がいるほど、旭川で愛され続けている歴史ある企業です。
このようなぜいたくなコラボレーションこそが、旭川を訪れる理由になるのではないでしょうか。
また、常盤商店で人気のあった旭橋の形をしたおやきは、焼き型を受け継いで今も製造しています。店内を和洋折衷のモダンな空間にリノベーションしたのと同じく、生地はクロワッサン風、具材はつぶあんだけでなくキーマカレーやチョコチップ、フランクフルトなど、季節によりバリエーションは和洋さまざま。これも、見慣れた店構えや地域に根付いた名物を未来に繋ぐ、一つの方法です。
「まずは地元旭川の人に愛される場所になることが目標。外の人に対して、『旭川には動物園もあるし、福吉カフェもある』って自慢してもらえるようになりたい。地元の人が誇りに思うものは、観光客の興味も引きますから。例えば函館の有名ハンバーガーショップみたいな、ね(笑)」。
「トキワ焼き」1個230円~(税別)。きれいな旭橋の形を出すにはサクサクのクロワッサン生地がベストだったのだとか。
「トキワ焼き」は全部で7種類。季節の素材を使った特製餡やお客様のアイデアを採用したものなど飽きさせない工夫。
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