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最終更新日:2021年3月11日(木)

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画像 株式会社大雪漁業 株式会社大雪漁業 銀河サーモン
2世代・3世代が集う人気のつりぼり

 日本で一番広い国立公園にあり、北海道ならではの豊かな自然を有する大雪山。そのふもとの海がない場所に「漁業」と名前がついた会社があります。上川町の地で約50年前に創業し、ニジマス・ヤマメ・オショロコマ・イトウといった川魚を養殖している、大雪漁業です。

 旭川紋別自動車道の上川層雲峡ICを降り、黄色い「つりぼり」の看板を目印にして、車で5分、大雪漁業が運営する大雪つりぼりに到着します。地元や道内の方はもとより、本州方面や外国人観光客の方など、親子連れや親子孫三世代のファミリーを中心にたくさんの利用者が訪れています。

 その人気の理由は、(1)えさが虫ではなくニジマスの切り身。(2)子供用の釣り竿を用意。(3)釣り場が屋根つきで快適。(4)釣った魚をその場で調理。(5)そもそも魚自体が美味しい。と言われる、大雪つりぼりの5大特徴。特に、

 「川魚ですがお刺身で食べてもくさみが無く、まろやかでコリっとした食感なんです。」

 と魚の美味しさを強調するのは、株式会社大雪漁業の代表取締役・渡辺昌範さん。3代目経営者となり、釣り堀と魚の卸業の運営、そして創業の意思を先代から受け継いでいます。

画像 大雪つりぼりと銀河サーモン 大雪つりぼりと「銀河サーモン」
大雪山から流れる命の水

 渡辺さんが育てる魚の美味しさの秘訣は、大雪山の雪溶け水。山の天然のフィルターを通ってろ過され、長い年月をかけて川に湧き出てきます。大雪漁業では、その冷水を使用し魚を育てています。

 7月でも雪が残る大雪山から湧き出る水は冷たく、年間平均水温は約7℃。この水で育った魚は、キリッと身が締まり臭みも少なくなります。

 「1kgの重さになるまで3年半以上と、本州など温かい土地で育つ魚よりも約2倍の生育期間になってしまいますが、じっくりと時間をかけ大切に育てています」

 魚に最適な環境を整えるため、大雪漁業では4名体制で365日1日も休むことなく水温・水質・えさの管理を続けています。悪天候になれば、夜でも出動しなければなりません。また、水質や魚の成分検査も定期的に行うなど、常に安心・安全に気を配っています。

 こうした品質へのこだわりによって、大雪漁業の養殖魚は現在全国でブランド魚として知られてきました。そんな魚を、釣ったその場で調理して食べられるなんて、最高の贅沢と言っても過言ではありません。

画像 レストラン内と提供料理 レストラン内と提供料理。
美味しくて安全安心のブランド、銀河サーモン

 渡辺さんが会社を継ぐ以前から、飼料代の高騰が続き、魚の納入先だった他地域の釣り堀も激減、業界の経営環境は厳しさを増していました。しかし、ここで育てたお魚の美味しさをもっと知ってもらいたいと考えた渡辺さんは、レストランへの卸や外販を本格的に行うことを決断。ブランド化に取り組みました。

 以前から、他の釣り堀にお魚を届ける際に環境の変化に負けないよう受け継いでいた、池の水に抗生物質や殺虫剤などの投薬を一切行わないことが、ブランドの商品力に貢献しました。採卵した半分以上は生き残ることができませんが、体の強い魚だけが生き残り「銀河サーモン」として出荷されます。

 このニジマスを地元上川町・層雲峡の名所で日本の滝100選に入る「銀河の滝」から「銀河サーモン」と命名。2017年に商標登録します。

 また、大手飼料メーカーとの共同開発により美味しさを追求した専用餌を開発するなどブランド価値向上への取り組みを進める一方で、現在は、上川町で生産された酒粕や大豆かすなど植物性タンパクを餌に使った新たなブランド魚の創造など、地域循環型モデルにも取り組んでいます。

画像 養殖業務を行っている風景と渡辺社長 養殖業務を行っている風景と、渡辺社長

 「手間と時間がかかりますが、ブランド価値を高められるよう、育てていきたいと思います。生産量を増やしていかねばならないことは課題ですが、お客さまには本当に美味しい安心・安全な魚を食べてもらいたいのです。」

 渡辺さん自らによる積極的なPRの成果から、最近は百貨店イベントへの出店やテレビ取材などで注目を集め、全国へ販売網を広げつつあります。「銀河サーモン」には、渡辺さんの魂が込められています。

 年々海の漁獲量は減っている中、養殖事業の重要性は高まります。渡辺さんは、「銀河サーモン」のほか、自社ヤマメのブランド「大雪ヤマメ」への取り組みや、釣り堀事業を通じ、養殖魚へ目を向けてもらうきっかけになれば、と願っています。

画像 ヤマメの自社ブランド 大雪ヤマメ ヤマメの自社ブランド「大雪ヤマメ」。

生命をいただくことへの体験

 約30年以上前から食堂も営業している大雪つりぼり。美味しいブランド魚をその場で唐揚げや天ぷら、お刺身などで味わうことができます。食堂内通路から加工場が見えるので、魚が手際よくさばかれていく調理の風景を眺められ、口に入れると、自分が先ほど釣った魚の生きていたことを実感する歯ごたえや食感を感じることができます。

 お店で見る魚は切り身の姿が今や常識ですから、小さなお子さんにとって生きている魚を見て触れることは貴重な経験です。そして、自分で釣った魚に包丁が入り、お皿に盛られて、これを食べる一連の流れを知ることで、命をいただいている、という食育体験に繋がります。

 「中には、泣いてしまうお子さんもいらっしゃいます。食べるのはかわいそう、って。でも食べたら美味しいって、泣き止むことが多いんです(笑)」

 ゆくゆくは川魚の生育を通じた、体験型のリゾート施設を作りたい。渡辺さんの夢は実現に向け、着実に進んでいます。

お問い合わせ 株式会社大雪漁業

北海道上川郡上川町東雲パンケ沢 
電話/01658-2-2161
FAX/01658-2-1366
http://www.taisetsu.jp/

    ★平成31年1月掲載

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