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ホーム > 産業振興部 > 商工労働観光課 >  「かみかわフードツーリズム」美深白樺ブルワリー


最終更新日:2021年3月09日(火)

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かみかわフードツーリズム トップページ >美深白樺ブルワリー
画像 BSB スペース BSB

画像 高橋さん 「北海道でクラフトビールをつくる」と東京の大手IT企業を辞め、美深町に移住した代表の高橋さん

 小説家・村上春樹の初期の代表的な長編小説『羊をめぐる冒険』に登場する架空の街・十二滝町。小説の描写をたどって「旭川で列車を乗り継ぎ」、「北に向かって塩狩峠を越え」た「札幌から道のりにして二六〇キロの地点」へ向かった先にあるのが美深町。その地理的な符合から『羊をめぐる冒険』の舞台といわれるようになったこの街に、2019年、レストラン併設のクラフトビール醸造所「美深白樺ブルワリー」が誕生しました。

 最初に醸造されたクラフトビールの名は『羊をめぐる冒険』の英題をそのまま冠した「Wild Sheep Chase」。美深町に群生する白樺から抽出した樹液を材料に使った柑橘系の香り高いフルーティーなクリームエールです。

 この日本最北のブルワリーの代表を務める高橋克尚さんが最初に美深を訪れたのは2017年。「北海道にいいところがある」と友人から見せられた写真に写っていたのは、牧場と羊と一軒家。それは、『羊をめぐる冒険』のモデルになったとも言われるペンションでした。高橋さんは仕事の休みを利用してバイクでその場を訪ね、そこで初めて、白樺樹液でクラフトビールをつくろうとしている人たちがいることを知りました。

白樺の原生林を活かしたい30年来の想いを込めて

 美深町の白樺を有効活用しようというプロジェクト自体は30年ほども前から進められていました。白樺は柔らかく耐久性に乏しいことから家具や建材には向かないといわれる木。ならば、と発想を転換して注目したのが、⽩樺が⼤地の水分をたっぷりと吸い上げる雪解け時期に、たった2週間だけ採取できる白樺樹液でした。50センチほどの幹から採れる樹液は1日約5リットル。町内の白樺林からは大量の樹液が採れますが、採取期間が限られていることと長期保存の難しさから、当時は買い手がなく、せっかくの「資源」を活かしきれてはいませんでした。

 そこで考えついたのが樹液を使ったクラフトビール。

 最初の試作は高橋さんがはじめて美深を訪れたのと同じ2017年。同じ年、美深町では初の「クラフトビアフェス」が開かれ、人口約4000人強の街で500人もの人が集まり、各地のビールに舌鼓を打ちました。

 試作品の仕上がりの良さとビール好きの町民気風、そしてビールを通じて生まれる人と人との交流に確かな手応えを感じ、2019年には3000リットルのビールを仕込みました。

画像 BSB店内 ブルワリーに併設するレストランは築90年の古い赤煉瓦倉庫を改装したもの
旅人から作り手へ

 ただ、本格的に事業展開するためには人がいない。そこまで聞いて、高橋さんはなぜか「自分がやろう」と思った、と言います。

 東京で生まれ育った高橋さんは、美深とはなんの所縁もありませんでした。前職はIT関係の仕事でビールの醸造はもちろん料理人経験があったわけでもありません。高橋さんを動かしたのは「試しに作ったビールがあって、期待している人がいる。それだけでした」と笑います。

画像 10tapのうち6タップが美深産クラフトビール 美深産ビールの提供数は日によってさまざま。この日は10タップのうち6タップが美深産でした
画像 メニュー表 さまざまなビールから好みの味を探すのも楽しい
モルト、ホップ、酵母そして水でさまざまな味わいを表現

 現在、RestaurantBSBで飲めるクラフトビールは最大10種類。日によって種類や数を変えながら、ブルワリーで醸造されたクラフトビールを提供しています。主な原料はモルト、ホップ、酵母そして水。これらのバランスを整え、副原料となる素材を吟味することで苦みや香りに変化を持たせています。

 「今、これだけで地方の味を作れたら面白いんじゃないかって思っているんです。この味は稚内とか、この味は名寄とか、そういう街の雰囲気をビールで伝えられないか、と。そうしたら町の人にも旅行者にも『おらが町のビール』を楽しんでもらえますよね」。

 通信販売で世界各地の名産品が自宅に届くようになった今でも、その土地に足を運ばなければ出会えない味がある。自らも旅行者として美深にやってきて、美深の魅力を肌で感じた高橋さんだからこそ、大切にしている価値です。

クラフトビールを通じて観光客と地元客の文化交流の場に

 「先日、札幌からオロロンラインを通って稚内を経由して、ゴールが美深という人が来てくれました。道北観光の通過点になりがちな美深、その街にできたばかりのこの店を「目的地」にしてくれたってことがめっちゃ嬉しかった。そういう人がもっと増えてくれれば」と表情を緩めます。

 「美深は掘れば掘るほどロケーションが良い。それに美深は実は地理的に道北の中心。稚内からも旭川からも車で2時間。日本海までは1時間半。山・森・川が豊かで日常で行ける『秘境』があるんです。観光の拠点になるんじゃないか」と言います。

 高橋さんが目指しているのは、観光客と地元客が集い、クラフトビールを通して交流が持てる賑わいの場。見知らぬ者同士が出会いまた来週、また来年と繰り返し訪れ、文化を築いていくこと。

 「美深には白樺樹液があって、それを使ったここでしか飲めないビールもあって、諦めの悪い人たちがいて、レストランとして使えるハコもある。最初はある意味奇跡だと思っていたんですが、どんな街にも埋もれているなにかがあるんですよね。それを掘り起こす仕組みやつなぐ人がいれば町おこしはできるんじゃないか」と高橋さん。最北のクラフトビール作りに確かな手応えを感じています。

 「美深から旭川へ向かう最終列車が発車するのは午後8時台(2020年現在)。「ここで飲みたい人のために、最終列車の出発時間が遅くなるくらいになればいい」と高橋さんは笑います。

 『羊をめぐる冒険』に導かれるように始まった、白樺樹液を使ったクラフトビールをめぐる物語。ビールとともに文化の拠点となることを楽しみにしています。

画像 ビール 画像 仕込み窯 銀色に輝く仕込み窯を見ながらできたてのクラフトビールを楽しめます
お問い合わせ RsetaurantBSB/美深白樺ブルワリー

北海道中川郡美深町大通北4丁目9番地
電話/01656-8-7101
https://bifukacraftbeer.jp

    ★令和3年2月掲載

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