寺坂農園『メロン』

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自慢のメロンについて語る寺坂さん。

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 「おいしいメロンに育っているのか」、「いつごろが食べどきなのか」――そんなメロンに関するあらゆる情報を把握して消費者に届けているのが、寺坂農園を経営する寺坂祐一さん。「メロンと会話ができる」とも話し、「美味しかった」という消費者の声を励みに、メロン栽培に情熱を燃やしています。年間生産量は約3万玉。すべてが、同農園の直売所と注文予約販売で売り切れてしまうという“超人気”のメロンです。

 寺坂さんは中富良野で農業を営む5代目。富良野農業高校を卒業して、すぐに家業を継ぎました。当時は米を中心に、豆、アスパラ、にんじんなどを栽培し生計を立てていました。主な働き手は祖父、祖母、母親の3人。いわゆる“三ちゃん農業”と呼ばれる経営形態で、父親は水道設備関係の会社員として働いていました。つまり、農業だけでは食べていけないのです。

 そのことを知ったのは、農家を継いで間もなくのこと。年間の売り上げは600万円ほどありましたが、経費などを差し引くと赤字。農業に夢を抱いて後を継いだ寺坂さんでしたが、借金が累計で1,400万円もあるという現実を知り、愕然としました。

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★寺坂農園「メロン」 大玉2玉入り5,850円(税込)、5玉入り12,250円(税込)など。
※送料別 ※玉数、サイズで価格が変化。詳しくはホームページか電話で確認を。
(左)収穫されたメロンは、1個ずつ点検されます。(右)ハウス内では、メロンの生育状況を入念にチェック。

 

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 「このままでは農業を続けられない」と思った寺坂さんは、高校の教師に相談。メロン栽培を手がけることをアドバイスされ、農業特別専攻科に再入学し、2年間勉強を続けることになりました。そして、26歳のときに結婚したのを契機にメロン栽培に専念。産地直送を謳い文句に消費者と向き合った販売手法に力を入れ始めました。

 寺坂さんが目指すメロンは、甘くて美味しいと感動してもらえるもの。糖度が15~16度のメロン作りを目標にしていますが、最低でも14度以上のものしか消費者には売らないようにしています。長雨や高温の連続という異常気象に見舞われた年もありましたが、「良いメロンができなかった場合でも、決して天候のせいにはしない」というのが寺坂さんの方針。「まだまだ、至らないことが多いから」と自分に言い聞かせ、栽培方法を常に工夫しています。

023_terasaka_new02.jpg平成30年より農場内に移転したメロン直売所。メロンの苗を育てたハウスを有効活用しています。
 

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 メロン作りは、収穫が終わった直後からスタートします。ハウス内にえん麦を植え、育った状況を見て、土の中にすき込みます。この土に、シャケ、カツオ、スケトウダラなどの粉末といった有機質を混ぜあわせていきます。メロンを植えた土地をそのままにしておくと微生物が偏り、土が固くなるため、これを改善するのが秋の作業。試行錯誤を繰り返した結果、現在の方法が取り入れられています。

 栽培する品種は、ルビー、エルシー、フラノレッドなど約8種類。中心となるのが、6~7月が「ルピアレッド」、8月以降が「フラーチェ」という、いずれも赤肉系の品種です。糖度が高く、甘くなることが栽培の最低条件ですが、「農家と流通のメリットを考えるなら、大玉がたくさん収穫できて日持ちする品種が良いはずです。しかしお客さまの視点から考えると、とにかく甘くて美味しい品種であることが最も大切。“食べた人が感動してくれる”ものが、産直農家にとって良い品種」と考え、新品種の試験栽培を行うなど常にさらなる美味しさを目指しながら、品種を選定しているのです。

 

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 細々と始めたメロン栽培も、現在は2万3,000平方メートルの畑に、1棟100mのハウスが32棟も建ち並ぶ“巨大農園”へと変身。1棟から約1,000玉のメロンを作りますが、ある年は、甘さが乗ってこないメロンが大量に発生。もちろん、美味しくないメロンを消費者に売るようなことはできないため、すべて捨てました。その数、なんと3,000玉にも及んだといいます。ただ、寺坂農園のメロンはおいしいという評判を維持するためにはこれも必要な対応なのです。

 消費者からクレームが寄せられた場合でも、これを「ハッピーコール」と呼び、今後の栽培や販売に積極的に取り入れているそうです。あくまでも前向きに考えることが、良いメロン作りにつながっていると言えます。

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32棟ものハウスが建ち並ぶ寺坂さんの農園。
 

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 さらに周囲の反対を押し切って、上富良野の国道沿いにメロン直売所を開設。農協に出荷して売れば、それはそれで問題はないものの、消費者の声を直に聞きたいという一心で、直売所の開設に踏み切りました。他人の土地を借りて、しかも販売施設に初期投資をすることは、農家にとって大きな賭けなのです。それでも、あえて開設したのは「うちのメロンを味わって、感動してほしい。そして、喜んでほしい」という抑えられない情熱があったからでした。

 そして、平成30年からは直売所を国道沿いから農園内に移転します。実は、寺坂農園は国道からかなり離れており、一般の人には分かりづらい場所にあります。それでも農園内に直売所を設けたのは、「どんな場所で、どんな人たちが」このメロンを作っているかをより知ってほしい、という願いからでした。直売所開設期間中は、1日1回寺坂さん を含む農園スタッフの皆さんが、メロン畑見学案内に対応されています。

 

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 また、ネット販売の購入者に手作りの「メロン畑通信」を送り、好評を得ています。通信には、今年のメロンの生育状況などを詳しく記載。ほかにも、家族の近況も紹介するなどアットホームな雰囲気に満ち溢れています。さらには、ブログや各種SNS、メールマガジンもフル活用。毎日のように魅力的な記事を発信し、多くの方々に愛読されています。これらのことが「また来年も寺坂農園からメロンを買おう」という意識につながっているようです。

 経営者が集う研修会にも積極的に参加し、農業経営に活かしている寺坂さん。「感動野菜産直農家」と自ら名乗り、「サニーショコラ」というトウモロコシの栽培も手がけています。中富良野の美味しい野菜を、多くの人に届けたいという寺坂さん。「農業青年」の夢は拡大する一方のようです。

 

寺坂農園

空知郡中富良野町東5線北4号
電話/0120-366-422
FAX/0120-199-091
https://furano-melon.jp/

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