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アイスとジェラート作りを一手に引き受けている店主の田村さん。
「父親から、アイスの店を立ち上げることになったのでやってみないかと誘われ、私がやることになりました。それまで、調理師専門学校を出て、イタリアンの店で厨房に立っていたんです。イタリアンでもデザートでアイスを出しますが、ここはアイスの専門店ということで、作る量の規模がまったく違います。」とにっこり笑うのは店主の田村みどりさん。隣接する「田村牧場」の娘さんです。
田村牧場は大正12年の創業。この牧場で朝一番に搾られた生乳を使って、アイスを仕込みます。搾りたての生乳から作られるアイスは風味が生きており、新鮮そのもの。場所柄、旭川空港の利用者が立ち寄ることも多いそう。このため、この店のアイスの美味しさは、道内はもとより、道外にまでクチコミで広がりを見せています。
★コーンアイス(2種類)300円(税込)
(左)一番人気の「ティラミス」と、「ゆず」のアイス。
(右)店内のショーケースには10種類を超えるアイスが並びます。持ち帰り用のカップアイスも販売。
田村牧場では、創業当時は10頭前後しかいなかった牛が、現在では約400頭にまで拡大。夏は広い牧草地に放牧されているほか、冬場も大きな牛舎の中で放し飼いにされています。牛舎内の中でも自由に動き回れる「フリーストール」という方法で、牛にストレスを与えることなく健康に育てられています。そうすることで、乳質や乳量が良くなるそうです。
牧場で搾られた生乳は牛乳に加工され、旭山動物園でも販売されています。飼育する頭数が増えてきたことで、父親の田村利廣さんが「牛乳の本当の美味しさを多くの人に味わってもらいたい。そのために、何かに加工して売りたい」と思い立ち、アイスの店を出すことを提案したといいます。
平成27年4月にリニューアルした店内。
店の切り盛りを任されたのが、田村さんです。調理師の専門学校を出ていることから白羽の矢が立ちました。イタリアンの店でもアイスが作られているため、任せられると思った様子。
しかし、デザートで出すために作るのはごく少量。ところが、ここはアイスの専門店。アイスやジェラートの数は、季節によっても変わりますが10~14種類にもなります。最初はアルバイト2~3人と一緒に頑張っていましたが、「まだ慣れていなかったので、忙しいときは作っているというより、お客さんに動かされているような感じでした。最初は戸惑うことばかりでしたね」と田村さんは振り返ります。
ようやく慣れてきたのは2~3年目から。10年以上経ったいまでは、ベテランの域に達しています。それでも夏場の忙しいときは、アルバイトが4~5人に増えるといいます。
田村さんによると、店の一番人気は「ティラミス」味。コーヒーシロップや洋酒の味が利いたペーストなどを使って仕上げています。ベースとなるアイスは、卵入りとそうでないものの2種類。リピーターが多いそうで、定番の「バニラ味」、「ミルク味」も人気があります。
アイス工房・田村ファーム Clover(クローバー)の外観。
また、春先はハスカップのアイスもお勧めです。田村さん自らスタッフと一緒に美瑛の農家さんの畑で直接摘んだ実を使っているので、採りたての新鮮さが活かされています。またハスカップの味を大切にするため、脂肪分の少ないアイスをベースにしているそう。さっぱりした後味が楽しめます。
そして、7月中旬~8月はメロンが登場。中富良野町「ファーム原田」の有機農法で作られる青肉メロンを使い、暑い夏に爽やかな香りを楽しめる人気の一品。出荷量が少ないため、ごく短い期間しか食べられないそうです。
田村さんは「夏場はお客さんがたくさん来るのですが、冬場は少ないので、新たな商品開発が必要だと感じています。店内は20席ほどありますので、ゆっくりとくつろいでもらえるようパンの製造に力を入れていきたいですね」と冬季対策に意欲を見せます。
旭川空港のロビーからは、徒歩でも約20分あれば行けます。著名人が空港を利用した際に立ち寄ることもあるそうで、1つの観光スポットにもなっています。クチコミでの評価はこれからもさらに高まりそうです。
アイス工房・田村ファーム「Clover(クローバー)」 上川郡東神楽町東2線16号97番地 |