旭川製麺(株)『大雪生うどん』

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「その人がいかに美味しいものを作ろうとしているか。その軸足をどこに置いているか。最後に味を決めるのは、そこだと思う」
と語る、旭川製麺株式会社代表取締役社長の鷲尾義行さん。大切なのは作り手の思いです。

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 「やらなかったのか、やれなかったのか。どちらかな?」

 東川町にある旭川製麺株式会社。その工場の壁にたくさんの言葉が貼られています。その1つが冒頭の言葉です。

 そして、同社には社員自らが「やりたい!」と声を上げ実現したイベントがあります。平成19年から夏に月1回、敷地内で実施している「くいしんぼう広場ちゅるChuru」。

 旭川製麺の商品は、83~84%が業務用ラーメンで、スーパーなど一般の市場には出回っていません。そこで、ラーメンを食べてくれるお客様と直接触れ合う場がほしい!と女性スタッフが企画しました。

 量販店に置かれているようなカラフルなパッケージでなくても良いから、美味しいものを安く提供したい。そんな思いで、イベント用の商品アイテムや試食の出し方、料理方法などをスタッフで考え、毎回新しいものを提供してきました。そんなスタッフの努力で、同イベントには毎回500~600人ものお客様が集まります。

 イベントを始めた同時期に、お客様との繋がりを大切にしようと会員制度も始めました。会員にはお得な情報を発信。会員になると5,000ポイントプレゼント。1万ポイントから商品と取り替えられます。会員数も順調に増え、現在会員数約600名。製麺会社としては、画期的な新しい取り組みです。

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 「こんなもの出して売れるの?って、僕は最初売れないと思っていました。それがイベントをやりたいと言い出した女の子が、絶対売れるって言うんですよ。彼女のほうが先見の明があった。その子の言うことを聞いておいて良かった」と、冗談っぽく語る旭川製麺株式会社代表取締役社長の鷲尾義行さん。イベントで出すと、あっという間に完売するその人気商品は、大雪生うどん、大雪生冷麦、大雪生そうめんなどの生麺です。

 一般的にスーパーで販売されているうどんなどの麺は、茹で麺か乾麺、または冷凍麺が主流です。他社メーカーでも、生うどんはほとんど市販されていません。そのことに目を向け、他にはない生麺の製造に踏み切りました。

 生麺は、乾麺とは全く食感が違います。生麺ならではの弾力、モチモチとしたコシの強さは、食べるとやみつきに。イベントでは、2食入りを30個も40個も買っていく人がいるほどです。

 「イベントで試食していただいて、一番定着した人気商品です。食べ物の基本は食べて美味しいか、美味しくないかの2つしかありません。試食をして頂いた時のお客様の反応、生麺って、こんなに美味しいの?というような驚きの表情。美味しいものを食べると、人は笑顔になるんですね」。それは、従業員1人1人の声にも真摯に耳を傾ける、鷲尾さんの姿勢が生んだヒット商品でもあります。

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★「大雪生うどん」(4食・つゆ付) 980円(税込)
★「大雪生そうめん」(4食・つゆ付) 980円(税込)
★「大雪生冷麦」(4食・つゆ付) 980円(税込)
添加物は極力少なくしているため、長期保存する時は冷凍保存をお勧めしています。
麺ならではの弾力とコシの強さが人気の秘密。夏のイベント、またはホームページから購入できます。

 

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 昭和41年、同社はある4人の男性が集まって起業されました。鷲尾さんは昭和48年、21歳の時に求人募集を見て入社。それ以来ずっと営業に従事し、平成23年、代表に就任しました。「ちょっと面接受けてみようか」と履歴書を出した日から44年近い日々が過ぎました。

 「僕は現場主義ですから、なるべく自分も参加する。社員と一緒に遊ぶし、雑談もする。いつも固いことばかり言ってもね。社長と社員となると、肩書きだけで構えると思うんです。それをなるべくなくすようにしたい。言わなきゃいけない時もあるけれど、毎日顔を合わせるたび売り上げの話ばかりしていても、良い会社になるとは思わない。自分自身が社員から始めているせいか、痛みを分ってあげたいと思っています」。

 自らが社員という立場からスタートしてきた鷲尾さんは、労働者と経営者の両方の目で会社を見ています。どちらの立場も判るからこそ、社長から社員の中に飛び込むことで、イベント企画のような各社員の可能性を引き出しています。

 普段もできるだけ工場に顔を出す鷲尾さん。従業員に声をかけながら、見るのはその人の目。「目を見て、元気そうかそうでないか、何か問題を抱えていないか判断します」。元気がなさそうなスタッフがいると、それとなく生産部長に気にかけてあげるように助言しています。

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業者向けのラーメンが主流。麺を卸しているところは、旭川を中心に道東、道北、札幌など約600店。
鷲尾さんはお得意様のラーメン店を食べ歩き、ブログ「鷲尾社長のらぁめん紀行」で各店を紹介しています。

 

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 同社の美味しい麺のポイントは東川の地下水です。「大量の水を使いますから、天の恵みですね」。しかし、この40数年、ずっとその恵みがあったわけではありません。

 平成4年のことです。それまでの建物が老朽化した上、地下水の金気(鉄分)が多くなって水質が悪化し、商品にも影響が出てきました。中途半端なメンテナンスは経費がかかるので、移転新築を前社長(現会長)が決断。旭川市内をいろいろ探しましたが良い場所がなく、旭川から東川に移転。大雪山の伏流水を使った美味しい地下水が、迎え入れてくれました。

 「私どもの商品は賞味期限の短い日配食品です。日持ちがせず、ベストの状態のものは残しておけません。時期が来ると劣化して腐敗していきます」。だから工場では、毎日昼に自分たちで作ったラーメンを食べています。また営業や事務も月に2回は試食。その味を自分の舌と脳に焼き付けます。

 「麺は機械で作ってはいますが、最後は人間の手です。最後に味を左右するのは、より美味しいものを作ろうという作り手の気持ちが入っているか、いないかですね」。人は美味しいものを食べたら、幸せそうな顔になる。その笑顔をいつも頭に描きながら作ることが、最後の調味料。どんなに道具が良くても、材料が良くても、一番大切なのは作り手の思いが込められていること。鷲尾さんはそのためにも、従業員1人ひとりの心にまで気を配り、その目を見つめています。

 

旭川製麺 株式会社

上川郡東川町西町6丁目2番1号
電話/0166-82-3545
FAX/0166-82-4888

https://asahikawa-seimen.com/

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