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直売所のイートインスペースにて、農場への思いを語る代表取締役社長の谷口威裕(たけひろ)さん。
平成27年7月、谷口農場の直売所「まっかなトマト」の中に、新しい商品が仲間入りしました。「ベジミックス」という野菜のミックスジュースです。もともと、缶で販売されている野菜ジュース「Vegeシリーズ」を3種類混ぜ合わせたもの。野菜や果実は、谷口農場と近郊の農場で生産されたもので、合計16種類もこの1カップに使われています。
製造するのは谷口農場の自社工場。同農場だけではまかないきれない素材は、地域の信頼できる生産者と協力して、より安心・安全で、クオリティの高い製品に仕上げていくのが谷口農場の心構えです。
★ベジミックス 200ml 270円(税別)
野菜を搾ったままのストレートジュース「Vegeシリーズ」の、赤・黄・緑の3種をミックス。レモンだけが広島産です。
「私たちが健康でいるためには、健康な食べ物を食べることが大切。では、その食べ物を育てる畑も健康でなくてはならない。それは自然の当たり前の摂理ですよね」と話す谷口さん。谷口農場では、その考えに共感した社員の皆さんが、素材である野菜やお米作りから、商品開発、製造、販売も行っています。
始まりは、谷口さんの奥様が体調を崩し始めたこと。折しも、当時主流だった農薬や化学肥料を使う農業に疑問を抱き、勉強していた時期でもありました。
ある人に「嫁いできた奥さんが健康を害するということは、家長であり農場主である君の責任だよ」と諭された谷口さんは、いよいよ化学に依存せずに作物を育てる農業へと方向を変えます。
「それまでの農法は、売上確保や生産安定のためには仕方のないものだと割り切っていました。でも、自然と土の力だけでやればできるんですよね。また、こうした自然の摂理を具現化できるのは、農業が最も適しているんだとも気付きました」。
それから何年もかけて土の力を上げて作った作物には、根強いファンがつきました。「やっぱり谷口さんちのトマトがいちばん美味しい」「ここの野菜は滋味豊かだ」というお客さまからの評価も高まってきたといいます。
「時代は変わって、水耕栽培やLED栽培など画期的な技術が生まれています。ただ、太陽が与えてくれるものって、光だけではないと思っている。しかも土で育てた作物はやはり、味わいに深みがあるんですよ。その土づくりについてはやはりコツコツ努力するしかない。食べてもらえればきっと分かっていただけますよ」と、谷口さんはにっこりと笑いました。
直売所の裏手に広がる、「トマトもぎとり園」。有機JAS認定のハウスで育ったトマトは、まるまるとして実に美味しそうです。
谷口農場の加工工場では、自社農場の野菜だけでなく近郊の生産者の作物も仕入れてジュースなどを製造しています。その理由は、お客さまだけでなく、地域の仲間と共存していくことにあるといいます。
理想は自社の作物だけで作ることですが、野菜ジュースは思った以上に多品種の野菜を必要とします。さらに毎日飲める手ごろな価格にするためには大量に作る必要がある。となると、いち生産者だけで作るのはかなりハードルの高い事業となります。しかも谷口農場では、旭川近郊で作られた野菜を使うことにこだわっていることもあり、他の農園の協力が必要不可欠なのです。
地域の素材を使うことは、地域の消費者からの信頼や期待も背負うことでもあります。それが、本州など遠くのお客さまへの信頼にも繋がると谷口さん。
「トマトの収穫体験や、直売所に買い物に来ていただくお客さまの顔を見ていれば、自分たちがやっていることがどう評価されているかは一目瞭然。お客さまは社外監査役だと思っていますよ(笑)」。
農業に真摯に向き合ってきた谷口農場の視線は、美味しそうに味わう消費者へも向かっていました。
農業生産法人 株式会社 谷口農場 旭川市東旭川町共栄255番地 |