ファームあるむ『昔ながらの庭先たまご』

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 「あるむ」とは、ドイツ語で山の上の牧草地、という意味。「大好きなアルプスの少女ハイジから名付けました」と﨑原元貴さん、敬子さんご夫妻は明るく語ります。2009年に大阪と愛媛から移住し、当初は興部町で酪農家を目指し研修を受けていましたが、酪農では道外や海外から飼料を取り寄せる必要があることを知り、「せっかく就農するなら循環型の農業経営をしたい」と、幅広い飼料が利用できる養鶏を目標に定めました。

 そして、農業研修先の知人を通じて士別市に巡り合います。ここは米や大豆のほか、畑作も盛んで、「あるむ」の名に相応しい場所でした。士別に養鶏場を建て、当初約50羽からスタートをしましたが、現在は約400羽の親鳥、100羽の雛鳥に拡大しています。

 ストレスがないよう1坪あたり10羽程度になるよう、丁寧に平飼いしているほか、飼料には市内の規格外の野菜など地元の色々なものを活用し、鶏糞は肥料として野菜を育てるなどして、理想だった循環型にも取り組んでいます。

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ファームあるむの﨑原元貴さん(左)敬子さん(右)
 

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 そんな環境で育てたファームあるむの卵は、卵臭をあまり感じなく、 旨みがたっぷり。「昔食べた卵の味」という評判が広がり、農場での直販や、毎週定期的に市街地の方々や周辺の農家さんへの配達で販売し、とても喜ばれています。そんな﨑原さんの取り組みは、健康な卵づくりだけに留まりません。自社の生みたての卵を使ったシフォンケーキを手作りして、配達と市内イベントなどで売ってみたところ、たちまち評判になりました。

 「昔ながらの庭先の卵らしい、黄身の黄色がきれいに出ているケーキです」

 手作りのシフォンケーキ「キミ・シフォン」は、卵を多めに使い風味が豊かで、極上のふわふわ感をお口の中で楽しむことができます。当初は「上士別をきずこう会」の加工場を使って焼いていましたが、口コミで注文数が増え、頻繁に加工場へ通うのが困難になってきたことから、3年前にケーキ工房を自宅の敷地内に建築しました。

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種類は、プレーンのほか、チョコレート、くるみ、まさかりかぼちゃ、いちじく。
 

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 自宅の敷地のほか、士別市内の士別inn翠月、JA北ひびき直売所「ひびきあい」、手打ちそば処淳真でも販売されている「昔ながらの庭先たまご」。その親鳥は、肉用種に比べて産卵数が多い大型品種の「卵肉兼用種のネラとホシノブラック」を飼っています。ですが体も大きくその分飼料も多くかかります。

 「それでも体力があり、卵の殻も厚い。ケーキ作りもお肉でも、断然こちらのほうがいい」

 こだわりの飼料は、塩(国産)を除きすべて北海道産、できるだけ士別産のものを使用。大豆を炊くところから始まり、牧草、小麦、かぼちゃ、じゃがいも、紋別産の魚粉たんぱく、ほたて貝殻などを混ぜ合わせ、発酵させて作ります。抗菌剤や添加物は使わず、自然界の生き物が食べるものしか与えません。

 ヒナの時から、この飼料と農場から湧き出る天然水で育っている鶏たち。養鶏を始めて7年研究したどり着いた納得のいく卵はこうしてできています。その後、卵を産めなくなった親鳥は廃棄物として捨てるのではなく、剣淵町の燻製会社と連携し、丸鶏の燻製として無駄なく活かしきっています。

 

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 養鶏場を始めた頃の場所から現在の場所に移る際、地元の方々の支援なしには、なし得なかった、と﨑原さんは振り返ります。鶏小屋建設のために、近所で解体された家屋の廃材や梁、柱などを譲ってもらったり、地元から父親が手伝いに来てくれたりして、完成までこぎつけたそうです。移転先は大規模な水田が多い地域で、﨑原さんが移るタイミングに、ちょうど年齢的にも廃業を考えていた方がいたため、廃材が手に入ったそうです。

 「自分ひとりでは、自宅、鶏小屋、鶏、と必要なものは揃えられなかった、周りの方々に生かされてきた」と﨑原さんは話します。

 ファームあるむの「昔ながらの庭先たまご」は、昔ながらの黄身の濃い味がするおいしい卵というだけではなく、農業も人とのつながりも巡り巡って循環していくように、と手をかける﨑原さん夫妻のまごころの結晶なのかもしれません。

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かわいいイラストの看板が目印です。

 

ファームあるむ

士別市上士別町24線南53
電話・FAX/0165-24-2262
https://farm-armu.com/

 

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