かみかわ食べものがたり~かみかわ食の今昔物語~

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1、上川開拓の歴史

 北海道のほぼ中央部に位置する上川総合振興局管内には、平成22年4月から新たに幌加内町が加わったため、4市17町2村の23市町村へと拡大した。これにより、総面積は約10.620平方キロメートルとなり、新潟県をも上回った。
 上川の開拓は、明治18年に当時の司法省の役人だった岩村通俊と屯田兵本部長だった永山武四郎ら一行が、旭川の嵐山地区にある近文山に登り、その雄大な自然と肥沃な土地を目の当たりにし、開拓を決意させたといわれる。
 翌明治19年、政府は北海道庁を札幌に置き、開拓に関わる事務を一元化。初代長官に岩村が就任する。上川開発のために必要な施策を次々と実行し、開拓が進められてゆく。
 明治24年に旭川駅逓が設置され、鉄道が開通すると、屯田兵らが家族を連れて入村。上川地域の本格的な開発がスタートすることになる。明治30年には旭川村、神居村、神楽村、永山村、鷹栖村、愛別村の6つの村を管轄する上川支庁が開庁。その後、空知支庁(現空知総合振興 局)から富良野地区の1市3町が、増毛支庁(現留萌振興局)から士別、名寄などが、室蘭支庁(現胆振総合振興局)から占冠が、それぞれ上川支庁に移管されている。
 内陸部にある上川管内は、稲作・畑作、そして酪農・畜産にも取り組む一大食糧基地として発展している。上川総合振興局がまとめた「上川の農業2010」によると、道内9つの総合振興局と5つの振興局の比較で、そば、かぼちゃ、アスパラは堂々の1位。次いで水稲、大豆、にんじん、たまねぎは2位。トマト、だいこん、てんさいも3位に入っている。農業が盛んな北海道でも有数の穀物地帯だ。
 また、旭川を中心に鉄道網が整備されたほか、道北、道東へとつながる国道の建設も順調に進み、物流の拠点としても重要な位置を占めている。

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2.上川百万石

  旭川市内には永山地区に「上川水田発祥之地」と神居上雨紛地区に「上川稲作発祥の地」の2つの碑が存在する。碑のいわれによると、永山地区では屯田兵として入植した2人が、明治24年に米作りに挑戦したが失敗したものの、翌年はわずかながらも収穫を得たとなっている。その後、数名が加わって稲作を行い、良好な成績を収めたとある。
 上雨紛地区は、青森から入植した造材夫が、同じ明治24年に稲作を行い27L(1斗5升)を収穫したとある。いわれ通りだと、上雨紛の方が先だということになる。 いずれにしろ、上川地区に入植した人たちが、すぐに稲作を始めたことは確かだ。それが成功すると水田は次第に拡大し、管内へと広がりを見せた。それが、後に「上川百万石」と呼ばれる米の一大産地へ駆け上ることになる。
 ただ、収穫量が増えても、上川産米は食味が劣るとして、市場での評価は低かった。しかし、昭和63年に上川農業試験場が品種改良を繰り返し、自信を持って世に送り出した新品種「きらら397」は、良食味米として市場や消費者にも認められ、作付面積が大幅に拡大して行った。
 その後も同試験場からは、平成3年に「彩(あや)」、平成8年に「ほしのゆめ」、平成12年に「ほしたろう」などの良食味米が続々と登場。平成20年には、これからの稲作のホープとされる「ゆめぴりか」が開発され、大きな期待が寄せられている。
 旭川市周辺でも、旭川市と鷹栖町、東神楽町の生産者が早々と「あさひかわ ゆめぴりか生産振興会」を発足させ、育成の技術を研修している。本州の有名ブランドに負けない食味の優れた米作りが、今後も進められてゆく。

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3.「北の灘」・旭川

 旭川酒販協同組合によると、旭川の酒造りは、明治24年に永山村で笠原酒造店が創業したのが始めとされる。店主の笠原喜助は新潟県の出身。翌25年には、旭川の曙に移転し、本格的な酒造を開始した。
 その後、旭川には多くの屯田兵が移住してきたほか、第七師団の建設が始まり、人口は急増。一時期は市内に40近い酒蔵があったといわれ、「北の灘」として酒造りが盛んに行われた。
 旭川は石狩川を中心に4つの河川に囲まれているため、酒造りに欠かせない良質な水が豊富にある。特に、旭川駅周辺や忠別川扇状地は水質が良いため,大正時代には15の酒造会社が立地していた。また、米も技術改良が進み、明治30年ごろからは安定した収穫が可能になった。酒造りの好条件が揃ったことが背景にある。
 良質な酒を造るため、上川酒造組合を設立し、杜氏の交流会や蔵の公開などで技術力を高める努力も重ねた。そのことが、全国的な銘酒を生み出すことにつながった。
 戦後は、酒類の多様化などで廃業が相次いだが、現在も「男山」、「髙砂酒造」、「合同酒精」の3社がそれぞれの特徴を生かし、個性的な酒造りを行っている。

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