かみかわ「食べものがたり」: キセキ・コンダクトカンパニー

    ※キセキ・コンダクトカンパニー様の商品「有機トマスコ」は、生産中止となりました。商品の販売は在庫限りとなります。


 

 

 

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150_kiseki-cc-main.jpg東川町の農場には、トマトを栽培するハウスと、有機堆肥を製造するハウス、そして間伐材を受け入れるスペースが並んでいました。右が花本さん。spacer.gif
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「有機トマスコ」は、生産中止となりました。販売は在庫限りとなります。
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 タバスコならぬ、トマスコ。キセキ・コンダクトカンパニーが平成26年から販売を始めた、新しい調味料です。自社で栽培した有機のトマトと、国産の唐辛子を合わせ、有機JAS認定の自社工房で開発、製造を行いました。

 「トマト栽培から始めて約6年、ようやくプロの料理人にも使ってもらえる製品ができました。パスタやピザなどのイタリア料理に、タバスコの代わりに使うだけでなく、意外なところでは味噌汁に振り掛けるのも美味しいんですよ」。

 そう話すのは、開発の中心人物でもある代表取締役CEOの花本金行さん。前任の経営陣の思いを受け継ぎ、まい進を続ける若き経営者です。

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★「有機トマスコ」60g 希望小売価格 675円(税抜)。見た目はトマトピューレのようで、トマトの香りも。一口舐めると、爽やかな辛さが効いてきます。

 

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 同社の母体は、農地整備や道路工事などを行う建設会社「花本建設」です。平成8年に、自然木の間伐材を処理するための中間施設を開設。建設業につきものの「破壊」のイメージを払拭したいと、当時の経営者が環境ビジネスへと踏み出したのだそう。
 間伐材をチップにしてミミズに食べさせ、そのフンを加工して堆肥にしたのが「ミミズッチ」という有機肥料です。

 この「ミミズッチ」の効果を実証するための実験施設として、自社農園を作ってトマトのハウス栽培を始めました。収穫したトマトはなかなかの出来栄えで、生食用として販売することに。
 ところが、トマトが出回る時期になると値段が下がり始めます。せっかくのトマトが市場価格に振り回されることは、企業のいち事業として続けるにはさまざまな問題があります。そこで、社員から上がってきたのがトマトジュースの製造というアイデアでした。

 「僕は反対したんですよ。絶対ダメ!って。それこそトマトジュースの北海道内での市場価格としては高すぎるし、道北には有名なトマトジュースがたくさんあった。有機栽培とはいえ、すでに激しい競争になっているジャンルに踏み込むのはリスクが高いと考えたんです」。

 とはいえ、どんどん赤くなってくるトマトを捨てるわけにはいかないと、「とりあえず仮の姿」ということで、ジュース製造に踏み切りました。
 こうして生まれたのが、「有機輝赤(きせき)トマトジュース」です。

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(右下)有機堆肥「ミミズッチ」。野菜の味が良くなると評判です。

 
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 「仮の姿」である「輝赤」を進化させたいと考えていた花本さん、江別市にある食品加工研究センターが特許を持つ、植物性乳酸菌「HOKKAIDO株」のことを知ります。これを使ったニンジンジュースの事例から、「輝赤」に使ったらどうなるかと問い合わせたそうです。

 「それが…分かっていたけどめちゃくちゃすっぱくなって(笑)。糖度がどうとか、トマトは甘い方向に向かっているのに、どうしてわざわざすっぱくしなくちゃいけないのかと…。試作品はそのままデスクの引き出しにお蔵入りでした」。

 ところが2年ほど経った頃、企画会議の中でアイデアが尽きた際にふと、花本さんはこの試作品のことを思い出します。予想以上に評価が高く、「しみこむトマト」として商品化を果たしました。まさかの敗者復活です。

 酸味を作り出す方法は、酢酸系か乳酸菌系かに分かれます。酢酸だと熱を加えると酸味が飛んでしまいますが、乳酸菌はしっかり残る。
 「今思えば、この時ようやく、当社の個性が出せたと思う」と、花本さんは感慨深い表情で語ってくれました。

 

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 すっぱいトマトジュースができても、花本さんはまだ満足しませんでした。ただ、トマトジュースから外れすぎてしまうと生産現場が混乱します。会社の方針がブレていると思われる可能性さえありますから、次の商品開発には慎重になりました。
 さらに2年ほどかけて作り上げたのが、今回ご紹介する「有機トマスコ」です。もちろんベースはすっぱいトマトジュース。そこに辛みを加えたらどうかというアイデアからでした。

 唐辛子は国産のものにこだわり厳選されたものを使用しています。

 「有機トマスコ」は食の専門家が選ぶ「北のハイグレード食品S2017」に選定されました。

 トマスコの誕生によって、ようやくプロの料理人へアプローチする武器ができました。すでに東京のイタリアンレストランなどでの実績もあります。
 有機栽培というこだわりに加え、すべて手作りなので製造できる本数も決まっています。花本さんは、従業員の努力に見合った価格で販売できるエリアへの展開を中心に、全国ばかりでなく海外も視野に入れています。

 平成30年12月よりトマトジュースのラベルデザインとギフトパッケージも一新し、新たな展開に挑戦中です。

 
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 実は、すっぱいトマトジュースとトマスコは、さまざまな研究機関などの協力があって誕生しています。
 まず、前述のとおりHOKKAIDO株を使うことで、特許を持っている食品加工研究センターの研究対象となります。また、旭川市の産業創造プラザや、市の商品開発プロジェクトチームにも加入しており、毎月1回の会合を行っているのだそう。

 「何かトラブルが起きた時はそのチームに相談します。自分のところに研究施設がなくても、チームがあれば悩みに対処して解決してくれるでしょう。餅は餅屋、ですよ。補助金よりも、そこに繋がっている人や情報の方を大切にすべきだと思います」。

 例えば商品パッケージも、チームメンバーのデザイナーが手がけたものですが、1つのデザインにいくらという契約ではなく、1本売れるごとにデザイナーにロイヤリティーが入るようになっています。
 また、各所には年間の研究費も支払います。研究者を雇ったら何倍にも膨れ上がる経費を抑えることができ、研究機関にはデータが蓄積されます。
 互いに、自分の得意分野を活かしてしっかりと利益が生まれるよう、負担を分担するという仕組みを取っているのです。

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パッケージデザインも一新し、ブランド力を高めています。

 
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 同社が行っているように、行政や研究機関と協業したり、販路を道外へ広げたりという方法は、個人の生産者には縁遠いのが現実。花本さんは、意欲がありながらも方法が見出せずにいる生産者を導く「指揮者=コンダクター」になりたいと、「キセキ・コンダクトカンパニー」という社名をつけたのだといいます。

 「今はSNSなども発達して、外国との時差だって障害になりません。小さな企業でも、しっかりと順序を踏んでいけば海外に出ることができるということを、まずは自分たちで実践する。そうすれば必要な方へその方法をお伝えできますし、一緒に販売するという提案だって可能です。挑戦したいと思えるようなきっかけを作りたい。地域のみんなで知識、技術、ノウハウを共有して元気になる…そんな世の中になればいいですよね」。

 一軒の建設会社が蒔いた小さな種が、地域の成長に繋がる芽を出したようです。

 

 

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