北海道歯・口腔の健康づくり8020推進週間(11月8日~14日)
北海道では、「北海道歯・口腔の健康づくり8020(はちまるにいまる)推進条例」第13条に基づき、11月8日(いい歯の日)~14日までを本週間と定め、8020運動の普及啓発を図っています。
8020(はちまるにいまる)運動とは、平成元年(1989年)に厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱した「80歳になっても20本以上保とう」という運動です。歯が20本以上あれば、ほとんどの食べ物を食べることができます。
歯科の2大疾患は「むし歯」と「歯周病」です
むし歯とは
むし歯は、むし歯の原因菌が糖類をもとに酸を作り出し、歯を溶かします(脱灰)。唾液中の成分が溶けかけた歯を修復(再石灰化)しますが、修復が間に合わず溶け出た状態が続くことで、むし歯になります。
むし歯の原因と予防策
むし歯をつくる4つの要因(歯の質、むし歯の原因菌、砂糖を含む食品の摂取、間食をする時間)に対する対策をすることでむし歯を予防することができます。
歯周病とは
歯の周囲の汚れ(プラーク)の中に含まれる細菌の毒素の影響で、歯ぐきに炎症が起きて、歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりします。歯を支えている骨が溶けていくと、歯の動揺がおこり、結果、歯を喪失してしまうことになります。
初期の段階では気づきにくく、進行してしまってから気づくことが多い疾患です。
セルフチェック
次のような症状があった場合は、歯周病の可能性があります。
✔ | 朝起きたときに口の中がネバネバする |
✔ | 歯磨きの時に出血する |
✔ | 硬いものがかみにくい |
✔ | 口臭が気になる |
✔ | 歯ぐきが腫れている |
✔ | 歯ぐきが下がって歯と歯の間に隙間ができてきた |
✔ | 歯がぐらぐらする |
歯周病になりやすい人の特徴
- 中年期以降の方
- 喫煙する方
- 妊娠中の方
- 糖尿病にかかっている方
- 歯磨きの仕方が悪い方(口腔内が汚れたままの方)
歯周病の予防
歯周病の予防の基本は、歯垢(プラーク)や歯石(歯垢が石灰化して硬くなったもの)をつかないようにすることです。毎日の歯磨き(セルフケア)に加え、定期的に歯科医院で歯石を除去し、専用の器具を使って歯の表面を磨いてもらう(プロフェッショナルケア)ことも歯周病予防には有効です。
また、歯周病は、心疾患や慢性腎臓病、呼吸器疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、悪性新生物(がん)など、さまざまな全身疾患と関連していることが報告されていますので、口腔の健康を維持することは、全身の健康維持に通じるために重要です。
定期的に歯科健診をしましょう
定期歯科健診では、むし歯の有無、歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、歯磨きの状態などをチェックします。定期歯科健診の間隔は、歯周病の進行度やお口の清掃状態等によって変わりますので、歯科医院と相談して決めましょう。
オーラルフレイルをご存じですか
オーラルフレイルは、老化に伴う様々な口腔の状態(歯数・口腔衛生・口腔機能など)の変化に、口腔の健康への関心の低下や心身の予備能力低下も重なり、口腔の脆弱性が増加し、食べる機能障害へ陥り、さらにはフレイルに影響を与え、心身の機能低下にまでつながる一連の現象及び課程をいいます。
オーラルフレイルは、早期の対応により、健康な状態に近づくことができます。
オーラルフレイルを確認するには、食事の時に「固い食べ物が噛めない」「むせる」や「滑舌が悪くなった」「歯の本数が少ない」など、毎日の「小さな衰え」が積み重なっていないかをチェックすることが大切です。
オーラルフレイルに該当した場合は、かかりつけ歯科医などに相談しましょう。