フレイルと健康
フレイルを知る
動かないこと(生活不活発)により、体や頭の働きが低下してしまい、歩くことや生活動作がしにくくなったり疲れやすくなることを『フレイル』といい、さまざまな要因により、健康な状態からプレフレイル→フレイルの段階を経て、要介護状態になります。そしてそのスピードは人によって様々です。
フレイルは体だけに起こることではありません。
フレイルには、足腰が弱り移動が困難になるロコモティブシンドロームや筋肉の衰え(サルコペニア)に代表される『身体的フレイル』、認知機能や抑うつなど『こころのフレイル』、孤立・孤食や閉じこもりなどの『社会的フレイル」があります。最近では、噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰える『オーラルフレイル』もあるといわれています。これらのフレイルが連鎖することで、ドミノ倒しのように生活の自立度はどんどん下がります。
しかし、健康状態とプレフレイル、フレイルは、取り組み次第で進行を緩やかにしたり健康な状態へ回復したり、行ったり来たりが可能とされています。
自立した生活を続けるには、なによりフレイルにならないこと、フレイル状態を進ませないこと、つまり『予防が大事』ということです。
フレイルに気づく
おいしく者が食べられなくなった、疲れやすく何をするのも面倒だ、体重が以前よりも減ってきた…こんな傾向は、もしかしたらフレイルかもしれません。
これは、フレイルに気づくためにの基本チェックリストです。25問の簡単な質問に 「はい」 「いいえ」 で答えることで、「運動機能」、「栄養」、「口腔機能」、「生活機能」、「閉じこもり」、「認知症」、「うつ」の7つの機能や症状についてチェックすることができます。
まずは自分の状態をチェックしてみましょう。
- バスや電車で1人で外出してい ますか
- 日用品の買い物をしていますか
- 預貯金の出し入れをしていますか
- 友人の家を訪ねていますか
- 家族や友人の相談にのってい ますか
- 階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか
- 椅子に座った状態から何もつかまらず立ち上がっていますか
- 15分位続けて歩いていますか
- この1年間に転んだことがありますか
- 転倒に対する不安は大きいで すか
- 6ヵ月で2~3Kg以上の体重減少がありましたか
- 身長、体重
- 半年前に比べて固いものが食 べにくくなりましたか
- お茶や汁物等でむせることがありますか
- 口の渇きが気になりますか
- 週に1回以上は外出していますか
- 昨年と比べて外出の回数が減っていますか
- 周りの人から「いつも同じ事を聞く」などの物忘れがあると言われますか
- 自分で電話番号を調べて、電話をかけることをしていますか
- 今日が何月何日かわからない時がありますか
- (ここ2週間)毎日の生活に充実感がない
- (ここ2週間)これまで楽しんでやれていたことが楽しめなくなった
- (ここ2週間)以前は楽に出来ていたことが今ではおっくうに感じられる
- (ここ2週間)自分が役に立つ人間だと思えない
- (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
フレイルを予防する
フレイル予防の3つのポイントは、①栄養(食事の改善、お口のケアなど)②身体活動(ウォーキングやストレッチなど)③社会参加(趣味やボランティア、就労など)です。
3つのポイントを見直すことで活力に満ちた日々を送りましょう。
生活不活発病は、生活のなかで動かないことで頭や体の働きがにぶくなることをいいます。
日中ずっと横にならない、身の回りを片付ける、簡単な体操をするなどで体を動かし、生活不活発病を予防しましょう。
そして、フレイル予防は、何か特別なことをしなくても、毎日の生活でちょっとだけ意識することでも可能です。
ごはんの献立を考えたり、歩く時の一歩を多く踏みだしてみたり、「おとといのこと」を思い出してみたり…このように、生活の中で脳や体を意識して使うことが、自然とトレーニングにつながります。
また、誰かと話す、誰かに話す、「笑い」を見つけるなど、口を動かし声を出し、誰かと交流し、気持ちを明るくすることも、生活の中でできる立派なフレイル予防です。
(参考)一般社団法人日本老年医学会『新型コロナウイルス感染症高齢者として気を付けたいポイント』リーフレット
(参考)厚生労働省ホームページ広報誌https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202111_00001.html
(参考)公益社団法人日本歯科医師会ホームページhttps://www.jda.or.jp/oral_frail/
フレイル予防の道しるべ
「何から始めていいかわからない」「何をオススメしていいかわからない」そんなときに役立つWebサイトや資料をご紹介。