百日咳とは
百日咳は、百日咳菌による感染症です。
百日咳にかかった人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことによっておこる飛沫感染が多く、その他、感染者と接触による接触感染でも広がります。感染すると、5~10日(最大3週間程度)の潜伏期間を経て、かぜ様症状がみられ、徐々に咳が強くなり、特徴的な発作性の咳症状が現れます。一年を通じて発生がみられますが、乳児では重症になることがあります。近年、乳幼児期の予防接種の効果が減弱した成人の発病が問題になっています。
治療には、抗菌薬が用いられます。
発生状況
名寄保健所管内では、2018年から2024年まで発生はありませんでしたが、2025年は5月25日現在で
15人の感染者を確認しています。管内では特に、10代の感染が目立っています。
名寄保健所管内における直近の発生状況は、下記のとおりです。
2025年21週(5月19日~5月25日)[報告5人]
- 5-9歳1人
- 10代4人
2025年20週(5月12日~5月18日)[報告8人]
- 5-9歳4人
- 10代3人
- 30代1人
予防のポイント
予防接種
予防接種法に基づく定期接種として生後2か月から接種可能な5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)等の接種が有効で、初回接種3回、追加接種の計4回の接種が必要です。
また、定期接種を終えていても小学校就学前に百日咳の抗体が低下し、学童期に感染することもありますので、公益社団法人日本小児科学会では、追加の任意接種(有料)を推奨しています。
毎日のこころがけ
予防接種後年数が経過した人等での発病も見られますので、下記の基本的な感染症対策を心がけましょう。特に、予防接種をしていない新生児・乳児がいる場合は、感染に対する注意が必要です。
- 外出先からの帰宅時等、石けんによる手洗い、うがいを励行しましょう。
- マスクは場面に応じて適切に着脱し、「せきエチケット」(せき、くしゃみをするときは、ティッシュ等で口と鼻を覆う、マスクを着用する。)を実践しましょう。
学校保健安全法における取り扱い
学校保健安全法施行規則では、百日咳は第2種の感染症に指定されており、特有の咳症状の消失、適切な期間の抗菌薬の治療終了後など、出席停止の基準が定められています。