令和4年度「かみかわ版ゼロカーボン・アカデミー」について(取組報告)

令和4年度「かみかわ版ゼロカーボン・アカデミー」について

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上川総合振興局では、「ゼロカーボン北海道」の実現に向け、上川の地域資源を活かしたゼロカーボン取組アイデアを持った若者を支援し、ゼロカーボンの新たな取り組みの芽を育成していくことを目的に、「かみかわ版ゼロカーボン・アカデミー」を開催いたしました。

11月1日(火)のオンライン事前研修から始まり、11月5日(土)、11月6日(日)には舞台を上川町に移し、豊かな自然の中でフィールドワークを行うなどゼロカーボンについての理解を深めていきました。

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かみかわ版ゼロカーボン北海道について(環境生活課のページ)

上川町について(上川町ホームページ)

令和3年度「かみかわ版ゼロカーボン・アカデミー」について

プロモーション動画公開中!

開催スケジュール

【11月1日(火)】

  • オンライン事前研修(Zoom) 19:00~21:00

【11月5日(土)】

  • フィールドワーク                     10:00~12:00
  • ウッドチップス工場視察            13:30~14:15
  • ディスカッション・1分間ピッチ 15:00~17:00
  • ビーガンフードワークショップ   17:00~18:00

【11月6日(日)】

  • グループワーク                        10:00~14:30 
  • プレゼンテーション                  14:30~15:30

 

オンライン事前研修

講師兼ファシリテーターであるSanagy株式会社 菊池さんより、気候変動入門としてゼロカーボンシティ・政策の経緯を含め講義を実施しました。

  • 基礎的な部分を含め、なぜゼロカーボン政策を進めていかなくてはいけないか
  • 4度上がった世界は、どうなるか。地球の気温はこれからどうなるのか
  • 世界のCO²排出量、排出源について
  • 日本、家庭のCO²排出量、排出源について
  • 自分のカーボンフットプリントを測定しよう
  • 海外のゼロカーボンについて
  • 今後の気候変動対策

ゼロカーボン、気候変動の問題は、世界規模の問題であるが故に、イメージは付くことができますが、自分のことに置き換えることが難しい問題です。そのため、事前研修では、普段どのくらい二酸化炭素を排出しているかを把握するため、参加者それぞれカーボンフットプリントを測り、現状を把握し、学びを展開していきました。

 

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フィールドワーク

上川町エサウシフィールドミュージアムにて、菊池さんと上川町役場産業経済課 平松係長よりオリエンテーションや林業、森林とゼロカーボンの関わりについてレクチャーしていただきました。

アカデミー生に説明する平松係長 気候変動と森林との関わりを説明する菊池氏

アカデミー生同士の交流を図るべく、自己紹介では、森にあるもので自分を表現する「森の名刺」ワークを実施した後、五感全てを使って森を体験して貰うため、二人一組のペアになり、一人が目を閉じ、もう一人が誘導し森を散策する「ブラインドウォーク」を行いました。まずは、森や自然の中で遊び、体験することで森や自然を好きになってもらい、その「好き」をきっかけとして、地域や世界の環境について身近に感じ取ってもらいました。

森の名刺ワーク ブラインドウォーク

ウッドチップス工場視察

上川町ウッドチップス協同組合が運営するウッドチップス工場を視察し、上川町のバイオマスエネルギーについて学び、カーボンの流れを体験しました。

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材木として使えない木質を工場でウッドチップとおがくずに加工しており、ウッドチップはバイオマスボイラーによる暖房利用や、上川町内の温泉施設で活用されており、なんと年間で数百万円の節約になっているとのことです。おがくずは家畜の敷料として販売されています。

ウッドチップとなる樹種はトドマツとカラマツからなり、材の約5割は上川町で調達されており、不足分は近隣の愛別町や当麻町等から調達しているそうです。

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ディスカッション・1分間ピッチ

会場を層雲峡オートキャンプ場に移し、オンライン事前研修やフィールドワークで学習したことを確認し、気候変動に関するモヤモヤ、気になっていることや思いをそれぞれ考え、共有していきました。その後、アカデミー生が取り組んでみたいゼロカーボンの取組を1分間で発表する「1分間ピッチ」を実施し、考えの近い人を探したり、自分の企画に必要な人材を探すなど明日のグループワークに向け動き出しました。

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● 1分間ピッチ ~抜粋~ 

  • 「ゼロカーボンでゼロファットプロジェクト」電気を使わないトレーニング器具を使用し、二酸化炭素&脂肪をゼロにしよう!
  • デジタルのカードゲームを作りたい!ただ、イラストが苦手なので協力者がほしい。
  • 運動を発電に繋げるような、一石二鳥のプロジェクトを立ち上げたい!
  • バーチャル遊園地を作りたい!自宅でも楽しめるようなものにしたいが、プログラミングの知識が無い。
  • 地産地消をしながらゼロカーボンに繋げていきたい!

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Veganフードワークショップ

旭川市でビーガン料理専門のカフェ「AMAHORO」(現在は当麻町に移転)を営んでいる木村さんを特別講師として招き、ビーガン料理ワークショップを開催し、食とゼロカーボンの関わりを再確認しました。

そもそもビーガンとは…? 

「完全菜食主義者」と訳されることが多く、肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品を食べない人のことを指します。 ベジタリアンと混同されることが多いビーガンですが、ビーガン=ベジタリアンではなく、ベジタリアンの一種となります。

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牛肉は米や大豆に比べ、約60倍のCO²を排出していることなど、食肉製品は、その飼育の過程でCO²を多く排出していることを学び、ナッツや大豆など気候変動・環境に悪影響のない食材を紹介して貰うなどでビーガン食の理解を深めていきました。また、大豆ミートを実際に試食することで、ビーガン料理の美味しさを体験することができました。

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グループワーク

会場を層雲峡オートキャンプ場から上川町移住・交流スペース「PORTO」に移し、前日の1分間ピッチを基に自分のアイディア、取組とマッチする人を探しグループを作成しました。各グループ講師の菊池さん、上川町地域おこし協力隊の大城さんのサポートのもと、ゼロカーボンのアイディアを実現させるべく議論を重ねていきました。

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プレゼンテーション

オンライン事前研修やフィールドワーク等で学んだこと、体験したことを基にゼロカーボンの取組や企画を発表して貰いました。プレゼンは4つのグループからしてもらい、全体でアイディアの共有を行いました。

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ISLAND CLIMATE GAME

子どもたちが気候変動について楽しく学べる教材が欲しい!

教育現場のニーズに応えるため、わかりやすく楽しく学べるゲーム教材を提案。アナログ(カードゲーム)とデジタルを比較するとデジタルの方がCO²が発生しないことに気がつき、チームで協力してゼロカーボンを目指すデジタルゲームを開発。昨今の教育現場(児童)へのタブレット普及率は高いことから、アプリの開発を目指す!

「ゲームのルール」

  1. チームごとに土地を決める。 例)森林、都市、地方、島、砂漠など土地によってそれぞれ特殊効果がある。
  2. クイズに答えてもらう。   回答によって、炭素ポイントが増減する。
  3. 炭素ポイントが最も少ないチームの勝利。

Zero Fat ~世界と自分に健康を~

運動を通して二酸化炭素の排出を減らす!

4つの視点から事業を展開!

①エネルギー ~ 発電可能な自転車の高速道路やトレーニングジムを作る。ジムを作ることによりCO²の減少、運動による体温の上昇で暖房が不要になる。

②コミュニティ ~ 運動している人達の繋がりを作るため、公園等屋外施設の設置。利用者が互いに高め合うことができるため、モチベーションアップが期待できる。

③フード ~ キッチンカーによりビーガン食を広める。魅力はもちろん、チラシやSNSにてレシピも広めることにより自分たちでも作ることが可能になる。

④ベネフィット ~ 報酬や特典などにより、自分へのメリットを見えるようにする。子供達でも気軽に取り組めるよう、公園に自転車を設置し、自分たちの力でどれだけ充電できるか目視でわかるようにデジタルパネルを付ける。

  ↓具体的にイベントを作成!↓

「ゼロファットウォーク」

  • 内容:歩いてポイントを貯め、賞品をゲット!!
  • 参加条件:アプリを登録
  • 参加費:無料(興味をもってもらうため)
  • 景品:ポイントにとって選べる景品 例)プロテイン、ヨガマット、靴 等

Kamikawa Project

飛行機や自動車などCO²を多く排出する「旅行」に着目し、 エコ且つ各地域の特産品や自然をPRし旅行を楽しんでもらえるかを考案!

「Star gazing 0」 ← 上川町をモデルに作成!

上川町は、街灯が少ないため山登りをすれば天体観測ができるという利点を活かすため、対象をカップルにし、ゼロカーボンの普及を目指す。リサイクル素材のハンモックで星空を見ながら、上川町産のベジタブルスープを飲むことができる。(生産時のCO²の排出が少ないため野菜を選択)

「E(イ-) Bank」 ← アプリを開発!

楽しみながら自然に貢献できるポイントアプリを開発。自分が減らしたCO²をポイントに換算し、そのポイントが「木」で表現される。貯めた分だけ「木」が生長する仕組みとなっている。また、上川町のゆるキャラである「かみっきー」を助けるクエストも付いている。貯めたポイントは特典としてハラルフード無料券等と交換することが可能となっている。 

LEAF Lean/Experience/Area/Fun.food

メンバーの興味があることを一つに… 

「管理栄養士」、「ファッション」、「町づくり・イベント企画」これらの強みを活かしイベントを企画。

WORK SHOP ~初めて学ぶゼロカーボン~

「大豆ミートを作ろう」 地産地消し、食を楽しみながらゼロカーボンを!

  • ビーガン、ハラルフードを主とする在日外国人や外国人留学生が食を楽しめる環境が少ない。
  • 健康志向の女性を対象に家庭で作れるビーガンレシピを提供。
  • 大豆ミートを活用した唐揚げや東川町産の野菜を使用したサラダなどを味わって貰う。
  • 地元の野菜を使用することで、輸送や保存などにかかるCO²を削減することができる。

「古着をリメイク」   ファッションを楽しみながらゼロカーボンを!

  • 服の製作、廃棄から発生するCO²を削減するため、着なくなった服を利活用し、楽しみながらオリジナルの服を作る。
  • ファッション好きだけで無く、欲しい服が売ってない、交通手段がないなど普段服を買わない人もターゲット。
  • 東川町民から廃棄する服を集め、その中から好みの服を選びリメイクする。
  • 服の寿命を1、2年延ばすことで、服の製作、廃棄から出るCO²を24%も削減することができる。

イベントをきっかけに「知らないうちにゼロカーボン」「自然とゼロカーボン」を目指す!

参加者からの声

  • 今回、ゼロカーボンという言葉自体初めて聞いた。中学生の時に上川町のこれからのことを考えた際、元々林業が盛んだったため、木の生活プロジェクトを考えていたが、二酸化炭素のことまで考えられていなかった。新たな知識を得て、より発展した取組を考える良さもしれた。また、将来、ツアーなどを企画する職に携わりたいと思っているため、今回のアイディアをより現実的にしていきたい。
  • ビーガン食の体験やキャンプなど楽しみながら勉強することができた。今後、ゼロカーボンの市場規模が大きくなってくるのかと感じさせられたため、ビジネスチャンスなども見つけられたら今回の研修の意義もでてくると思った。
  • ゼロカーボンについては知識が無い状態でスタートしたが、堅くならずに楽しく研修ができた。ゼロカーボンは日常生活や仕事と切っても切り話せない関係であり、逆に言えば誰でも簡単に取り組むことが可能だと感じたため、今後の仕事や日常生活に活かしていきたい。
  • 正直、ゼロカーボンは新聞やニュースで見る程度だった。大豆ミートとかでちゃんと栄養がとれるのか疑問に思っていたが、朝起きたら肌の調子も良く、ビーガン食の魅力に気づかされたところ。これからも楽しみながらゼロカーボンについて学んでいきたい。

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ファシリテーター・講師紹介

ファシリテーター兼講師

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Sanagy(株)  菊池 佳

旭川市で一歩を踏み出したい人のためのインキュベーションハブ「nest co-living」を運営。事業のアドバイスや、挑戦する人・サポートする人のコミュニティなどの環境を提供。教育面では、放課後インターナショナルスクール「NEST GLOBAL SCHOOL」を開校するなど、地域の人材育成に向けて幅広く活動。

特別講師

◆ 上川町産業経済課林業担当 平松 悠揮

大学研究林勤務時代、フォレスターになりたいという思いから森林組合へと転職。その後、今の林業についての違和感等から新たな職場を探していた際、WEBで上川町役場の林業職募集を見つけ、上川町役場の職員となる。現在は、自身が目指す理想のフォレスターとなるべく町有林を活用した、木材の高付加価値化や空間利用についての企画に取り組んでいる。

◆ 木村 由希子 

2011年より「Heart Made ろっち食堂」名義にてメニュー開発・提供・料理教室を中心に世界の料理と自然食・雑穀菜食料理の普及活動を開始。2016年に旭川市に拠点を移し、会員制ヴィーガンカフェ「AMAHORO」を開業。2019年には、西アフリカ・ベナンへ出張し、メニュー開発・現地スタッフへ調理指導をした。2020年に「AMAHORO」を旭川市にて実店舗にて開業、経営し、現在も日本雑穀協会雑穀エキスパート等の資格を駆使し、自然に適した生き方や食の提案、野菜・山菜料理を普及している。

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上川総合振興局地域創生部地域政策課 地域振興係

〒079-8610旭川市永山6条19丁目1番1号上川合同庁舎

電話:
0166-46-5916
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0166-46-5204
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