かみかわフードツーリズム ~トップページ~ > 株式会社ペコラファーム(旧:しずお農場株式会社)
「フルーツほおずき」をご存じでしょうか。その名の通り食用のほおずきで、ヨーロッパでは古くから栽培されており、近年日本でも人気の高まっている農産物です。
カサカサとした薄い袋を開くと、直径2センチほどのオレンジ色の実が現れます。表面はしっとり、ぷるぷると水分を含んでおり、一口かじると濃厚な甘みとフレッシュな酸味が口の中に広がります。少しパイナップルに似た、トロピカルな風味が感じられます。ビタミンAやカルシウム、鉄分やイノシトールといった成分も含まれていて、美味しいだけでなく健康に気を使う方にも注目されているのです。
「しずお農場」では、平成21年ごろから栽培を始めたフルーツほおずき「ゴールデンベリー」のデザートを販売しています。
※現在は栽培を終了しました。(2024年9月時点)
実は一般的なミニトマトよりひと回り小ぶり。ナスやトマトの仲間です。
現在、しずお農場では、100ヘクタールを超える農地でビートや飼料用とうもろこしのデントコーン、フルーツトマトなどを栽培しています。そこに加え、ビート用育苗ハウスが空く春から秋にかけて、フルーツほおずきを育てるようになりました。
最初は露地栽培で作っていましたが、糖度が上がりにくいことからハウス栽培へ切り替えたそうです。プランターで育てることで、水の管理がしやすく大雨などの災害の被害も極端に減りました。また、濃厚な甘みと酸味のバランスが良い実を育てることにも成功。糖度はなんと13度から14度もあるそうです。「フルーツトマトの栽培ノウハウが役に立った」と山下さんは笑います。
農薬や化学肥料を使わず、手塩にかけて育てられたフルーツほおずきは、飲食店や青果店などで販売されています。
※現在は栽培を終了しており販売していません。(2024年9月時点)
(左)ずらりと並んだプランター。5~6cmの長さのほおずきの袋が鈴なりに。
(右)この袋はいわゆる花の「ガク」。ふわふわとした産毛があり、乾いた感触です。そっと破ると実が現れます。
主に関東へ出荷されているしずお農場の生食用フルーツほおずきですが、繊細な袋は破れや傷みが出やすく、加工品の開発が急務でもありました。
年間通して提供ができ、保存や加工がしやすいものとしてジェラートを作ることを考えた山下さん。しかし、ジェラートの製造には専用の設備が必要でした。
そんな時、札幌でジェラートショップを展開する「GELATERIA Geream」の代表・柬理有美さんと出会います。柬理さんも、フルーツほおずきを知り商品に取り入れたいと考えていたことから、2人は意気投合し、農商工連携事業の取り組みがスタートしたのです。
しかし実際の商品開発は一筋縄では行きませんでした。「フルーツほおずきは小さな種が多く、生で食べるにはシャリシャリとした食感がアクセントになりますが、これが加工の際にネックになってしまいます。また酸味を活かすのか、それとも旨みを活かすのかで味わいがまったく変わります。さらに、ソフトクリームの機械に入れると固まりすぎて動かない…。とにかく失敗と改良を繰り返しました」と山下さん。
そうして、平成29年7月1日、「ゴールデンベリーのソフトクリーム」の販売に至りました。同時にカップに入ったジェラートも誕生。こだわりのミルクジェラートなどを合わせたギフトセットも販売スタート。(平成30年10月現在)
今後もプリンや焼き菓子などを増やし、士別発のおみやげを目指しています。
※現在はフルーツほおずき栽培を終了したため、ソフトクリーム等のほおずき商品は販売終了しました。(2024年9月時点)
さまざまな事業を展開するしずおグループでは、先に述べたビート等の栽培の他、肉用サフォーク種羊の飼育も行っています。
「レストランでは、豚骨ならぬ『羊骨』を使ったダシが美味しいラーメンや、羊肉の佃煮、カレーなどもリーズナブルな価格で提供しています。デザートにはゴールデンベリーのデザートを。士別の美味しい農畜産物をぜひ食べに来ていただきたいです」と山下さん。
とはいえ、羊肉の生産はまったくの未経験。当時の担当者は、羊生産者のところに住み込みで勉強するなど、苦労が絶えなかったといいます。さらに、当時は道外での羊肉の認知度は低いものでした。首都圏でも、羊肉を珍しがるシェフが使う程度で採算が合わないことがほとんど。そこで担当者は、レストランを一軒一軒巡ったり展示会に出たりと、売り先を探し出していました。
ある時、全日空のシェフに品質を認められ、平成22年に横浜で開催されたAPECの食事会にラムチョップが採用、続いてファーストクラスの機内食にも取り扱われたことで、信頼を得ていきました。今では、東京都内約50店のレストランに、しずお農場産の羊肉が提供されています。
そんな、全国的にも信頼度の高い、美味しい羊肉を気軽に味わえるレストランです。
レストランは平成30年5月に「サフォークダイニングSHIZUO」としてリニューアルし、ますます羊肉メニューが充実しました!
※レストランは「ペコラキッチン」と名称変更しています。(2024年9月時点)
しずお農場の敷地にはレストランの他、ポニーやヤギと触れ合える広場、酵素風呂のある宿泊棟があります。いずれの施設もビートやフルーツほおずき等の畑の一角にあり、こ
の地でとれたものをその場で味わい、動物との触れ合いやリラックスなどの体験ができる場です。
「晴れた昼間に丘の上から街を眺めながら料理を味わうのも格別ですし、宿泊して満天の星空もご覧いただきたいです。丘の上の農地ですから、さえぎるものも余計な明かりもなく、本当にこぼれてきそうなくらい美しいんですよ」と山下さんが笑います。
美味しい料理と澄んだ空気、美しい昼夜の景色――。
かわにしの丘には、日常を忘れさせてくれる特別な空間が広がっています。
士別市の街並みを一望できる丘の上に、レストランと農場があります。
※しずお農場株式会社は、2024年6月すべての事業を株式会社ペコラファームに継承しました。
士別産サフォーク種の羊肉の加工販売、レストラン「ペコラキッチン」、焚き火キャンプ場
「士別ペコラ」を運営しています。(2024年9月時点)
~お問い合わせ~
株式会社ペコラファーム(旧:しずお農場株式会社)
住所:士別市東4条21丁目472-27
電話:0165-22-2151(会社)
《レストラン:ペコラキッチン》
住所:士別市東4条21丁目473-103
電話:0165-22-4545(レストラン)
URL:https://www.pecora.jp/camp/#restaurant
★平成29年12月掲載