ヤギとつくる、持続可能なワイナリー〚 ドメーヌ・レゾン -Dmaine Raison- 〛

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 雄大な十勝岳連峰を見渡す中富良野町は、夏は30 度、冬はマイナス 30 度にもなる富良野盆地のただなかにあるまち。厳しくも豊かな自然が生む美しい景観が広がるその地域に、2017 年春、サスティナブルを標榜する「ドメーヌ・レゾン」が新設されました。国内最古の醸造所「まるき葡萄酒株式会社」が属すグループレゾンの一員として、自然と共存するエコロジカルなワイナリーを目指し、除草剤など農薬をできる限り使わず、生き物の力を借りた循環型農業を実践しています。

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 圃場は西中地区に32ヘクタールと、富良野市山部地区に8ヘクタールの計40ヘクタール。畑を購入 した初年度にたくさんのぶどうの苗木を植えましたが、残念ながらすべて枯れ、失敗。かつての十勝岳噴火で形成された泥炭層や粘土層、火山灰層が重なる過酷な土地での挑戦が始まりました。

 そうしたなか、圃場の手入れや土づくりにひと役買っているのは、愛らしいヤギたちです。雑草を食 べ、元気に走り回るヤギたちの排泄物は、ぶどうの搾りかすと一緒に土に混ぜ込んで肥料として活用。微生物が活性化することで、少しずつ肥沃な大地へと変わってきました。
 
 畑は現在7年目。マネージャーの菊池優子さんは「まだまだですが、地道な土壌改良のおかげで、ぶどうの品質や収量は年々上がっています」と畑に温かな眼差しを向けています。

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(左)圃場で愛らしい姿を見せてくれるヤギたち。 ※夏期限定
(中)本部との打ち合わせやブティック(ショップ)のヘルプ、ワインの発送作業などマルチに活躍する菊池さん。
(右)コーンかカップが選べるヤギミルクのソフト。手作りクッキーは菊池さんが考案。細い足を型抜きするのに、試行錯誤を重ねました。
 
 ワイナリー横のブティック(ショップ)に併設されたカフェレストランでは、ヤギミルクのソフトクリームを提供。チーズのようなコクと甘やかな風味が感じられるソフトクリームは、ぶどう畑や牧場、雄大な十勝岳を望むテラス席でぜひ味わってほしい一品です。
 
 ヤギたちはぶどうの成長を支えるだけでなく、ワイナリーのアイドル的存在でもあります。

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 その年に作るワインのコンセプトや方向性は、長野県にある同グループのワイナリー最高責任者と、ドメーヌ・レゾンの醸造者である松島巧(38歳)さんが、収量や状態を見て決定します。
 
 松島さんは奈良県出身。ワーキングホリデーでオーストラリアを訪れた際、持続可能な循環型農業「パーマカルチャー」に触れ、人と自然との関係の奥深さに感銘を受けました。帰国後はニセコでしばらく働きましたが、豊かな自然環境の中で大好きなスノーボードを楽しみたいと、富良野エリアへ。ドメーヌ・レゾンにはぶどうの収穫時期に季節就労で入りましたが、同社のサスティナブルな精神と、畑と直結したワイン造りのおもしろさに魅了され、正式に入社。醸造担当者として試行錯誤の毎日です。
 
 醸造の方針について尋ねると、「このぶどうはこんな味だろう、という思い込みを排除し、そのぶどうのはじめのひと嗅ぎ、第一印象を受け取ることを大事にすることです」と語ってくれました。
 
 北海道の自然が大好きだという松島さんは、小さな微生物たちが作り出す自然環境にも興味があり、近ごろはよく畑にも足を向けています。北海道ならではの気候や土壌と向き合うため、周辺ワイナリーにも足しげく通い、アドバイスを受けています。「ゆくゆくは土地由来の天然酵母によるワイン造りにもチャレンジしたい」と笑顔を見せます。

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実はあまりお酒が飲めない松島さん。“飲み飽きない味”を理解しようと、お酒好きや醸造家と会話し、見識を広めています。

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 農園では、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール、リースリング、シャルドネなど、12種類のヨーロッパ品種を栽培しています。それらは基本的には単一品種で醸造しますが、ツヴァイゲルトレーベとピノ・ノワールを合わせた赤ワインや、余市町から買い付けたナイアガラやデラウェアなど生食用 の複数品種から作られる白ワインなど、個性的な混醸ワインも多彩。また自園で最も収量が多いケルナーからは辛口、甘口、樽熟成、デザートワインの4つのバリエーションを生み出すなど、単一醸造の可能性も追求しています。
 
 そのうち、醸造開始年の2019年にリリースしたメリメロブラン、メリメロルージュ、ドメーヌレゾンブランの3銘柄は、日本最大級の「さくらアワード」で金賞・銅賞を獲得。北国の冷涼な地に実るぶどうならではの爽やかな酸、フレッシュな果実味を楽しめるみずみずしい味わいが多くの人々の心を奪い、以降毎年、入賞を続けています。
 
 また、近ごろは世界的に注目を集めているオレンジワインにも挑戦。白ぶどうを材料に、皮や種も一 緒に仕込む製法で、本州向けには山梨県産の甲州で作っていますが、道内では自園のピノグリとピノブランだけで作ったものを限定販売しています。シャープな酸味とほのかな甘みの中に、スパイシーな余韻が残るほかにない味わいで、発売後は瞬く間に売り切れてしまう人気ぶりです。

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(左)収穫されたぶどうの選果作業の様子。
(右)ワイナリーに併設されたブティック(ショップ)では、ワインの試飲や購入ができます。

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 地球の温暖化が進む昨今、冷涼な気候と恵まれた環境を求めて、国内外を問わずワイン業界全体が北海道に熱い視線を向けています。北海道ワインの品質・知名度が向上するなか、中富良野の気候や土壌に合った栽培方法、醸造方法を真摯に模索する同園。今後も北海道ワインのさらなる可能性を切り開いてくれることでしょう。

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~お問い合わせ~
▶Domaine Raison ドメーヌ・レゾン
住所:空知郡中富良野町東1線北4号
電話:0167-44-3035
URL:https://domaine-raison.com/
Instagram:@domaine_raison_

《営業時間》
 ワイナリー 10:00~17:00
 カフェ 11:00~16:00

 

★令和5年3月掲載

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