地域の人・モノを磨き上げる〚珈琲淹リファインド朝日店〛

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かみかわフードツーリズム ~トップページ~>  珈琲淹リファインド朝日店

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 「町のことなんか何も考えてこなかった。その反動なのかもしれないですね」。細口のケトルでコーヒーにゆっくりとお湯を注ぎ入れながら、平塚直樹さんは微笑みました。
 珈琲淹リファインド朝日店。ユーモラスで温もりのある平塚さんの人柄と、ここにしかない味を求めて町内外から多くの人が集まります。

 地域振興は町や農協がやること、とどこか他人事のように捉えていた平塚さんを変えたのは、平成の大合併。行財政基盤の強化や地方分権の推進を狙った自治体の広域化の取り組みにより、旧朝日町が士別市と合併したことがきっかけでした。
合併を機ににぎわいを取り戻していくと思っていた町が、期待とは裏腹になお寂れていく。その様子に「人とモノがなさすぎてヤバい。玉砕覚悟で何かやんないとダメだ」と平塚さんは自らを奮い立たせます。

 大好きな朝日地区を盛り上げ、朝日地区を好きな人たちが帰って来られる場所づくりが始まりました。

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 リファインド朝日店の代名詞は水を一切使わずにコーヒーで炊いた「カフェライス」。それは札幌にあるリファインド本店のオリジナルメニューと全く同じもの。リファインド本店マスターの樋渡幸樹さんが平塚さんの心意気に「町のために動ける人はなかなかいない。名前もあげるしお金も一円もいらない」と、リファインドの名前と門外不出と言われたカフェライスのレシピを最大の餞として贈ってくれたと言います。
 さらに「リファインドには磨き上げるという意味がある。メニューも自分なりに磨き上げてくれれば良い」と、オリジナルの食事メニューを置くことも快く認めてくれたそう。


 朝日店のメニューには自家製練乳カフェオレや化学調味料を使わず具材を入れるたびに違った味を楽しめる味変ラーメン、たっぷりの手づくり餡を乗せた至福トーストなど、平塚さんが考案したオリジナルメニューが数多く並びます。
 なかでも注目はカフェライスを使った焼きカレー。和ダシをベースに油控えめで作るカレーはチーズを乗せても重くならないのが特徴。カフェライスのほのかなコーヒー風味とカレーの風味がほどよく混じり合って、他にはない味わいを生んでいます。
 このメニューがツーリング雑誌に紹介されたことをきっかけに町外客の注目を集めるように。店内には著名人のサインも多数飾られます。

 平塚さんが「なさすぎてヤバい」と危機感を覚えた「人とモノ」のうち、人がリファインドを中心に、少しずつ動き出したのです。

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(上)人気の焼きカレーと味変ラーメンのセット。ラーメンを食べ終えたスープにカフェライスを入れるとリゾットのような味わいを楽しめます。
(左)雑味のない味わいのコーヒーはリファインド旭川店で学びました。
(右)水を一切使わずコーヒーで炊くリファインド本店秘伝の「カフェライス」

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 朝日地区の最大のイベントは、年に一度の岩尾内湖水まつり。ステージや体験イベントのほか屋台やハンドメイド商品の出店者が集まり、かつての賑わいを取り戻したかのように華やぎます。
 この雰囲気をなんとか継続できないか。そう考えた平塚さんが始めたのが「まざるバザール」。月に2〜3回、リファインド朝日店にハンドメイド作家やワークショップ、マッサージ、占いなど市内外のさまざまなジャンルの人々が入り交じる展示販売を行っています。

 「年1回のお祭りの時だけじゃなく、繰り返し足を運ぶことで、朝日地区の魅力に気づいてほしい。そこから出店したい、住んでみたいっていう流れを作れればいい」。平塚さんの想いは広がります。

 通常営業時もカウンターにはハンドメイド作品や地場の加工食品が並びます。この日は、朝日地区に新規就農した「やぶかわ農園」のピクルスが置かれていました。北海道在来のエゾにんにくのやわらかな食感、真昆布の深い味わい、黒酢のまろやかな酸味が一体となった見た目も華やかな一品。こうした新しいものとの出会いもリファインド朝日店の魅力。
 「そうやっていけば、みんなハッピーになるよね」と話す平塚さんの表情はとても幸せそうに輝いていました。

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(左)カウンターに置かれたハンドメイド作品
(右)「やぶかわ農園」の大川さん(右側)。やぶかわ農園産の野菜やピクルスは今後、リファインドのメニューに登場予定です。

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 何かおもしろいものを見つけたり、新しく作ったものがあれば、とりあえずリファインド朝日店に持ってくる。そんな流れのなかで集まってきたものの一つが、士別生まれ士別育ちの大豆・つくも4号。
 士別でしか採れない農作物を作ろうと品種改良を繰り返して生まれた大きさ10mmほどの茶豆で、通常の大豆よりも大豆イソフラボンが多く含まれ、甘味が強く濃厚な味わいが特徴です。もともと醤油や味噌として加工されていましたが「なかなか普及しない」と、平塚さんに相談が舞い込みました。


 大手菓子専門店で製餡を担当していた平塚さんが、その経験を活かして甘く炊いてみたところ「(高級品種として知られる)丹波黒大豆よりも、全然美味しい」ことに驚きます。
 「これはダイヤの原石。みんなに知ってほしい」。
 その一心で知り合いの飲食店に「使ってみて」と声をかけ、つくも4号の活用方法を探る研究グループ「つくしんぼうの会」を立ち上げました。ここからシフォンケーキや豆大福、きな粉など多彩な商品が生まれています。

平塚さん自身は「つくも4号を使った穀物コーヒーに挑戦したい」と開発に力を入れます。

「つくも4号が士別サフォークに続くまちの名産になれば」と平塚さんは期待と自信を膨らませています。

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つくも4号を「ダイヤの原石」にたとえ、美味しさで磨きをかける平塚さん。

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 店を始めた当初、8割程度が市外からの来客だったというリファインド朝日店。今、少しずつ市内のお客様が増えていると言います。
それは「まちを愛する人たちが帰って来られる場所をつくりたい」という平塚さんの想いが、ここで暮らす人たちの心に響き始めた証なのかもしれません。

 「ぼくを応援するというそれだけの理由で、無償でカフェライスのレシピを教えてくれた札幌のマスターに、少しは恩返しができるかな」と照れたように笑う平塚さん。
 人と人、人とモノ、人と情報を集め、日々磨き上げてきたその輝きは、大きな光となってまちの未来を照らし始めています。

 

~お問い合わせ~
▶リファインド朝日店
住所:士別市朝日町中央3781
電話:090-9088-7382
URL:https://refined3781.official.ec/

《営業時間》
11:00~14:30/17:00〜19:00 水曜定休 

 

★令和6年3月掲載

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