平田とうふ店『丸大豆もめんとうふ』

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3代目の平田正宏さんと、息子の拓也さん。

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 「一丁懸命」、これは、平田とうふ店の社訓でもあります。平成21年に法人化する際、従業員から出た言葉だそうです。「一丁の豆腐ができるまで、ひたすら手間をかけることが美味しい豆腐作りに繋がります」と代表取締役の平田正宏さん。夜10時から準備を始め、長年平田の豆腐を愛してくれるお客さんのために「一丁一丁、懸命に」作る豆腐です。

 平田とうふ店は昭和21年、東川町の現在の場所で産声を上げました。「もめんなんだけど、きぬに近い食感にしたいと思って作っています」と正宏さんが話すように、なめらかでのど越しの良さが人気で、札幌からわざわざ買いに来るリピーターもいるとのこと。東川産の大豆を主に使用し、天然の塩田にがり、そして大雪山の恵みである美味しい伏流水で極上の豆腐に仕上げています。大豆の風味が生きた、東川町伝統の味です。

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★もめんとうふ 460円(税込)
★寄せとうふ 410円(税込)
看板商品の「もめんとうふ」(左)は1丁900gと超ジャンボサイズ。右は絹ごしのなめらかな口当たりが特徴の「寄せとうふ」

 

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 実は、正宏さんの父親と祖父は、二人とも若くして亡くなっています。その時に店をつないでいったのは、いつもその妻である女性たち。中でも、正宏さんが「スーパーばあさん」と呼ぶ母親の節子さんは、水田を耕す兼業農家でありながら豆腐屋も切り盛りし、さらに近所の保育園に調理師として勤務し、60歳の定年まで勤め上げたという働き者でした。

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大雪山の伏流水に浸かった豆腐を引き上げる節子さん。一つひとつ丁寧に包装していきます。

 そんな母親の背中を見て育った正宏さんですが、初めは豆腐屋にはなりませんでした。憧れだった国鉄に就職し、汽車の運転手として運転技術を磨いていったのです。

 しかし、25歳の頃に国鉄民営化の波に巻き込まれ、「国鉄マン」に別れを告げます。「国鉄退職を転機に、豆腐屋を継ごうかと迷った時期もありましたが、子どもも小さかったので豆腐屋で食べていけるか不安だったんですよね」と正宏さん。母親の苦労を肌身で感じているだけに二の足を踏んだといいます。スポーツ店に勤務し、旭川、札幌、帯広などに転勤を繰り返して活躍していた正宏さんですが、40に手が届く寸前の頃、退職して東川の実家に戻ることになりました。

 3代目を継いだとき、わずか10坪足らずだった店舗は、現在70数坪にまで拡大。店舗や道の駅などでの販売のほか、宅配業務も行っています。また道北地域ではなじみの薄い湯葉の製造販売を始めたり、地元の菓子店と協力して「豆腐スイーツ」の開発に乗り出したりと、外で働いていた時代の経験をフルに活用。平成21年に法人化に踏み切りました。

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 さらに正宏さんからは「海外出店も目標なんです」という驚きの発言が。実は正宏さんには3つの最終目標があり、その一つが海外出店なのだそう。あとの二つは、豆腐の飲食店開業と、東川町にテーマファームを作ること。飲食店の第一号店はもちろん、この東川町にと決めています。豆腐の材料である大豆などが育つ観光農場を巡ってもらい、東川の素晴らしい景観を眺められる場所に豆腐料理店があれば、消費者と作り手がもっと近づけるはずと正宏さんは考えているのです。

 「ただ豆腐を作っているだけでは、両親や祖父母が培ってきたことを守るにすぎません。自分がやってきたことの確固たる証拠を残したいと思うからこその挑戦です。現実的に見て海外出店までは私の代では難しい。ですが道筋は作れると思っているんです。その道を使ってどのように広げてくれるかは、息子の拓也に託します」と正宏さん。

 現在、製造・販売・売上管理などの事務まで、経営に関する幅広い経験を積み上げている拓也さんですが、彼にもすでに目標があります。「跡を継ぐことは決めています。まずは『4代目』という名前の新商品を作りたい」。そう話す拓也さんの少し照れたような笑顔を、正宏さんが見つめていました。将来の4代目も、青写真を描きつつあるようです。

 「私にとって海外進出などの目標は夢ではありません。青写真――つまり具体的な計画なんです。そのためにもお客さまとの関係や職場環境、もちろん売り上げも含めて足元をしっかり固め、目の前の目標を一つずつ達成していけば、けっして夢は夢で終わらないと思っています」。

 

株式会社けんめい
平田とうふ店

上川郡東川町北町9丁目1-5
電話/0166-74-3877
https://hirata-tofu.com/

 

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