美瑛町農業協同組合:美瑛選果『フリーズドライ』

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「美瑛といえばコレ!と言える商品に育てていきたい」と語る、JAびえいの販売部販売企画課の井上匡史係長と工藤優佳さん。

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 1990年(平成2年)製。1993年(平成5年)製。

 この年に導入したことを意味する、機械に書かれた製造年月日。まだフリーズドライ製法は一般的に認知されていなかったにも関わらず、当時の担当者である農産加工研究室の植松哲也さんは導入に踏み切りました。

 同研究室はJAびえいが設けた部署で、加工品の研究、商品開発を行っていました。当初は天日干しや熱風乾燥など、フリーズドライ以外の商品の研究も行われていたといいます。しかし研究が進むにつれ、やはり素材の風味を残すフリーズドライが最適だと分かったのです。こうして平成2年に小型の真空凍結乾燥機を、その3年後には大型の同機を導入しました。大量生産するようになった今でも、初号機は商品開発のサンプル作りなどに活躍しています。

 試行錯誤の末、販売にこぎつけたのは平成8年。JAの運営する小さな直売所で細々と売っていました。その3年ほど後に、植松さんは年齢的な限界を感じ退職。数年前にお亡くなりになり研究室も解体されていますが、植松さんの思いを継ぐ職員の方々の手によって、フリーズドライ商品はその存在価値を高めています。

 

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 そもそもフリーズドライ商品を開発した目的は、「美瑛町の代表的な特産品にすること」。さまざまな作物が育つ農村風景は全国的にも知られ、観光資源の一つでもあります。「幌加内町といえばそば、富良野といえばメロンというように、美瑛ならではの特産品がなかったんです。なんでもあるのに、これといって目立つものがない。地域の誇りになる商品を目指していたと聞いています」と話すのは、現在、JAびえいの広報担当の井上さんと工藤さんです。もちろん、原料はすべて美瑛産のものにこだわります。

 フリーズドライは、材料を凍結してから乾燥させることで、色や栄養成分を保持することができます。例えば「焼きとうもろこし」は、冷凍の粒を加工。生と乾燥・濃縮後の味が異なるため、乾燥させて食べた後の美味しさを考えた味付けを組み立てるのは簡単ではありません。植松さんが開発して10年以上経った今もレシピを守って作られており、「どうしてこんなに美味しくできるのか教えてほしい。どうしてもこの味にならない」という同業者もいるそうです。

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★「フリーズドライ」~食べ始めると止まらなくなる美味しさのラインナップ。
  「あずき」(60g) 260円 / 「ダイスミルク」(50g) 260円
  「焼きとうもろこし」(30g) 260円 / 「ソフトコーン」(30g) 210円 (各税込)
中でも、爽やかで濃厚なミルクの味が口に広がるダイスミルクは、最も手間がかかり大量生産ができない商品です。

 

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 フリーズドライのシステムは、液体を蒸発させるのではなく「昇華」させるもの。つまり、凍らせた原料に含まれる氷を水分に戻さず気化することで、縮むことなく原型を留めたままで乾燥させます。真空状態で時間をかけてゆっくりと熱を加えていくため、味が凝縮されて濃くなるのだそうです。

 しかし、完成までかかる時間は24時間。一度機械に入れてしまうと絶対に開けることができません。つまり、毎日機械を動かしても、1年365回しか作れないのです。商品ラインナップの中でも一番人気の「焼きとうもろこし」は、夏場のハイシーズンには1日500個も売れるといいます。現在は5商品を取り揃え、欠品のないようフル稼働。「もっと注文したい、うちの店でも取り扱いたいという問い合わせもいただきますが、現在販売している分だけで精一杯で、なかなか製造が追いつきません」と、井上さんも嬉しい悲鳴です。

 実はこの機械、かなり高価。道内でも2、3社しか持っていないという貴重な設備です。そう聞くと、一粒ひと粒、大切に味わいたくなりませんか?

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これがフリーズドライの機械。食材の風味を損なわず、色や栄養成分までそのままいただける特殊な製法で作られています。
 

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 平成19年にJAびえいがオープンさせた「美瑛選果」は、農産物や加工品の直売所、パン工房、フレンチレストランを備えた、美瑛の食の魅力を発信するアンテナショップ。さまざまなジャンルの新商品が毎年登場し、特に夏場は行列ができるほどの人気です。このオープンに合わせてパッケージを一新し、店舗内で試食もできるように整えました。実は、北海道物産展でフリーズドライ商品のファンになってくれた一般のお客様からのアイデアだったそうです。このおかげで、同店に新しい素材を求めて訪れる多くのバイヤーの目に留まりました。今では、フリーズドライの売り上げは発売当初の3倍以上に伸びています。

 「次は、2つの素材を組み合わせた『進化したフリーズドライ』を作ろうと計画中なんです」と工藤さん。この取材の直前に試作は成功したとのこと。このような時は、植松さんの遺した初号機でテストを重ねるのだそう。植松さんのレシピはもちろん生かしながら、ただ頼るばかりでなく、後に続く世代として次のステージを目指す。美瑛町を愛する人 たちの挑戦が続きます。

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美瑛町農業協同組合(JAびえい)

上川郡美瑛町中町2丁目6-32
電話/0166-92-2111
FAX/0166-92-2977
https://ja-biei.or.jp/

美瑛選果

上川郡美瑛町大町2丁目
電話/0120-109-347
https://bieisenka.jp/

 

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