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なかや農場の2代目の中谷さんは、(株)中谷米創の社長と営業を兼任しています。
(株)中谷米創のブランド米“雪蔵米”は、”ゆめぴりか”と“ななつぼし”の2種。
玄米の袋が積み上げられた倉庫兼作業場で、黙々と精米作業に追われる中谷仁さんの姿がありました。中谷さんはご両親と共になかや農場で農業を営むかたわら、自家栽培米“雪蔵米”の販売部門として設立した株式会社中谷米創の代表も務めています。販売先は十勝を中心とする道内外の個人宅で、中谷さんが地道に営業を続け開拓してきました。
学生時代の中谷さんには実家の農家を継ぐ考えはなく、学校を卒業後、十勝の農業資材販売会社に勤め、営業職として十勝方面の数十件の農家を担当していました。営業を通じて農家との信頼関係を築く中で、十勝で農業に従事する人々の地域に対する熱い思いを感じるようになったそうです。地域に根ざし、地域を愛し、地域の発展のために農業や様々な取り組みをしている姿に、農業の大変さはもちろん、やりがいや誇りを初めて理解し、実家に戻り農業を継ぐことを決めました。
秋に収穫し袋詰めされた玄米は雪に包まれる冬期間倉庫に保存され、“雪蔵米”のブランドで出荷されてゆく。
農場に隣接する精米所で、精米したての米の状態を観察する中谷社長。
9月上旬、なかや農場の水田で黄金色に染まった、収穫の時を待つ稲穂。
中谷さんが2010年に旭川へUターンし、実家の農業の専従者になりました。それまでのなかや農場は収穫した米を全て地元の農協に卸していましたが、少しでも自立した農園を目指すため真っ先に取り組んだのは、なかや農場が栽培した米の販売部門の立ち上げでした。翌年の2011年に(株)中谷米創が設立され、本格的な営業活動がスタートしました。中谷さん一人で立ち上げた会社ですが、十勝時代の経験を生かし自ら営業として販売先を開拓する決意がありました。
収穫したての新米を営業車両に乗せ、まず向かったのは会社員時代にお世話になった十勝の農家でした。十勝の農業は小豆など畑作を中心としたているため、米の需要があると考えたからです。久し振りに足を運んだ中谷さんをどの農家も快く迎え入れ、同業者として農業で頑張っている姿を心から喜んでくれたと言います。
営業時代に育んだ信頼が後押しし、予想以上の契約が取れたそうです。現在200件のご家庭に“ 雪蔵米”が届られていますが、その半数は現在でも十勝のご家庭だといいます。
道外で開催される「北海道物産展」や商談会にも積極的に出店する中谷さん。
(株)中谷米創の営業活動は道内だけに留まらず、道外で開催される物産展や各種商談会にも積極的に参加しています。遠くは鹿児島の百貨店「山形屋」で毎年秋に開催される「北海道物産展」や、千葉県の幕張メッセで開催されるアジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN/国際食品・飲料展」にも出展を継続しています。
中谷さんは「出展経験の豊富な先輩方が親切に指導してくれているおかげです」と継続できている理由を謙虚に語ってくれました。そんな経験を通じて感じたことは、国内はもとより世界から北海道の食の安全性や品質に対して想像以上の高い評価を受けているということです。今後も農薬の使用量を抑えるなど米の品質向上に努め、物産展などの出展を続けてゆくそうです。
今後は道東方面への広告戦略や、ホームページによるネット販売などSNSの活用なども取り組んでいきたいと考えています。
人脈づくりにも力を入れてきた中谷さん。「田んぼアート」を手がけているJAたいせつ青年部の活動の中で信頼できる仲間が増え、2013年、8人の仲間と東鷹栖シードホープ(株)を設立しました。取り組んだのは2 0 1 4 年2月にオープンした石蔵ダイニング「米蔵(My House)」です。地域の食材を使った食事処ですが、農業婦人による女子会をはじめ、料理教室、婚活、結婚式、研修会など幅広く活用されています。
十勝の農家から学んだ「地域に根ざし、地域を愛し、地域の発展のために取り組む農家の誇り」を実践し続けてきた中谷さん。東鷹栖のこれからの活躍に期待していきたいと思います。
8人の仲間で立ち上げた東鷹栖シードホープ(株)が運営する石倉ダイニング「米蔵(MyHouse )」
リゾットやピザなど、東鷹栖で収穫された米や野菜が使われた料理が提供されている
【お知らせ】
「米蔵(My House)」は、2023.3.16「蔵バル sorriso(ソリーゾ)」と改称してオープンしました。
株式会社中谷米創 旭川市東鷹栖1線14号 |