士別サムライブルワリー『クラフトビール』

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士別サムライブルワリーのヘッドブルワー・風間健さん(右)と、運営会社の(株)志BETS(しべつ)ホールディングス代表の菅原大介さん。

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 全長256km、日本最北の大河である天塩川が端を発する士別市で、2021年12月、「士別サムライブルワリー」が産声を上げました。

 士別駅のそば、美瑛軟石を積み上げて建てられた築100年近くの石蔵をリノベーションし、クラフトビールの醸造所として活用しています。

 主原料に、士別市内を流れるミネラル豊富な天塩川源流の水を使い、同じく市内で栽培された小麦やハト麦、近隣で採れる果物などの副原料を合わせ、この地でしか作ることができない、楽しみと感動に満ちたビールを生み出しています。

 

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 この始まりには、地域を盛り上げようという熱い思いを共有する有志の存在がありました。

 士別市の建設業・イトイ産業(株)の菅原大介さんをはじめとした11人が、2020年6月に「(株)志BETS(しべつ)ホールディングス」を設立。地元温泉や北海道独立リーグ球団の運営にあたっていたところ、買い手を探していたこの石蔵と運命的な出合いを果たします。

 菅原さんは「ひと目見て、ここがブルワリーになったらめちゃくちゃかっこいいだろうなと思ったんです」と振り返ります。

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「この蔵を見て、地域の豊かな資源を生かすクラフトビール醸造所としてのイメージがはっきり湧いた」と菅原さん。

 武士の「士」が付く士別は、道内では「サムライ士別」の愛称で呼ばれていることから、ブルワリーの名前には「サムライ」が付けられました。

 最高の場所を手に入れたメンバーですが、作り手のあてはありません。函館や網走、道外にまで醸造施設の見学に行きましたが、開設の難しさを思い知るばかり。悩み、行き詰っていたところ、視察で訪れた近隣町の「美深白樺ブルワリー」で風間健さんと出会ったことから、道が一気に開けていきました。

 

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 風間さんは名寄市出身。高校卒業後はパティシエを目指して専門学校で学び、札幌市内で働き始めましたが、「これまでの自分の価値観を思い切って変えたい」と、3カ月おきに住処と仕事を変える「旅人」の生活を送ることを決意。大型テーマパークやスキー場、富士山頂、シェアハウスなど日本各地で居場所を移すうちに、人種も年齢も様々な人とたくさんの繋がりが生まれました。

 一方、クラフトビールとの出合いは、東京時代に立ち寄ったブリューパブ。初めて飲んだ一杯に「今まで飲んできたものと全然違う!」と衝撃を受け、以来、パブを訪れたり、ブルワリーを巡ったりと、クラフトビールとの関わりを深めるように。そして自転車で日本を一周しながら帰郷した際に、開業準備中だった美深白樺ブルワリーからの誘いがあり、醸造家としてのキャリアがスタート。その後、視察に訪れた菅原さんのビール作りと町おこしへの情熱に感銘を受け、2020年から士別サムライブルワリーに活躍の場を移しています。

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名寄市内でビアパブも経営。「お客さんの反応を直に見られる。作り手としてはまだまだですが、売り手、飲み手の目線も持っているのが強みです」。
 

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 醸造は2022年1月に開始。その翌月に完成したのが、小麦を使ったまろやかな「寵(ちょう)」、すっきりした柑橘系の「煌(こう)」、ホップの香りが際立つ「雅(みやび)」という3つのレギュラービールです。菅原さんは「初めて飲んだとき、たまげました。とんでもないビールができたなと。感無量でしたよ」と笑みをこぼします。

 その後も、剣淵町の燻製工場とコラボしたスモーキーな「燻(いぶし)」、ほんのり甘い浅煎りコーヒーのような「漆(うるし)」、フルーティーな甘みと優しい口当たりの「霞(かすみ)」といったシーズナルビールを相次いでリリース。中でも自分自身の再出発への思いと、同じ季節に亡くなった旧友への哀惜の情を重ねた「餞(はなむけ)」は、甘酸っぱい風味にほろ苦さがよぎる、特別な一杯として風間さんの中に刻まれています。今後は近隣の中川町産ハスカップを使って醸造する構想もあり、いっそう多様な展開が見られそうです。

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左から「寵」「煌」「雅」「燻」「漆」「霞」。それぞれに風間さんの人生の1ページを投影する物語が秘められています。

 クラフトビール作りの醍醐味は、その自由度の高さ。作り手のアイディアによって原料の割合や組み合わせる副原料などレシピが変わり、味や香り、喉越しまでもががらりと変化します。

 風間さんの場合、アイディアの源は大切な友人や知人たち。「『擬人化』ならぬ『擬酒化』して、その人たちをイメージして作ることが多いです」とにっこり。いつも爽やかなあの人、ピリッとスパイシーなあの子、どっしり重厚なあの先輩…味と香りのイメージを膨らませ、使う材料や配合を決めて醸造が始まります。これまでの人生で出会った人々、得た経験が、ビールの味に深みと幅を持たせてくれる――これこそが、士別サムライブルワリーが醸す唯一無二の味わいです。

 

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 「目指しているのは、地域に愛されるビールです」と菅原さん。レギュラー3種のラベルデザインには、ビールを持つ侍のイラストを起用。背景には、天塩川の四季や北国らしい雪景色が描かれています。同時に、ヒグマ、キタキツネ、エゾシカ、フクロウをあしらった北海道動物ラベルのシリーズも展開。近い将来の海外進出を目標に、世界から注目を集める北海道の、士別ブランドであることもアピールしています。

 「地域にある『いいもの』を広く外にPRしたいと考えている人や企業と手を取り合い、まちの人たちが酌み交わす酒を作っていきたい。コロナ禍で、外でお酒を飲む機会が減ってしまったけど、人と企業と地域を繋ぐ力が、クラフトビールにはあるはずです」。

 自分たちが育った地域へのリスペクトを忘れず、恩返しをしたいと楽しみながら奮闘するサムライたち。「志(こころざし)をBET(賭ける)」して、これからも地域を盛り上げていきます。

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レギュラービール3銘柄はどれも方向性の違う味わいで、クラフトビールの幅の広さを体験できます。

 

【醸造・販売所】
士別サムライブルワリー

士別市西3条10丁目220
電話/070-4113-6046
販売日/土日10:00~16:00(変動あり)
Instagram/@samuraibrewery

【運営会社】
株式会社 志BETSホールディングス

★令和5年3月掲載

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