(株)けんぶちVIVAマルシェ『けんぶち産キヌア(Quinoa)』

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数々の困難を乗り越え、剣淵町に広がるキヌア畑

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 南米にルーツがあると言われるアルパカが縁で、剣淵町とペルー共和国が姉妹都市提携を結んだとき、高橋朋一さんは、「ペルーと姉妹都市からのストーリー性のある作物、他では真似できない柱となるものが欲しい」と考えました。さまざまな情報を探しているなかで、高橋さんの心にヒットしたのがキヌア。栄養価の高さから多くの海外セレブレティが健康や美容のために取り入れ、アメリカ航空宇宙局(NASA)が「21世紀の主要食」と称するヒユ科のスーパーフードです。「当時聞いたこともなかった」と言いながらも、寒さにも暑さにも強く、不毛な農地でも生育できるキヌアが持つポテンシャルに高橋さんは魅せられます。「このまちでつくれるようになったら、いろんなことが変わる」。高橋さんの挑戦が始まりました。
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「剣淵町に新しい特産品を」とキヌアへの思いをユーモアを交えて語る高橋さん。
 

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 国内での栽培事例がほとんどなく、参考になる情報も乏しいなかでのスタート。高橋さんは「壁が4つありまして。これ、予想していた壁じゃなくて予想してない壁ですよ」と苦労続きだった当時を振り返ります。

 最初の壁は発芽。3年かけてようやくその壁を乗り越えて発芽にこぎつけたかと思えば、次は雑草という壁が立ちはだかります。さらには大量のヨトウムシが発生。除草剤も防除も手探りのなか、ようやく実ったキヌアは「収穫時期には白っぽくなると聞いていたのに、白いままだと生で収穫することになってしまう」と、収穫のタイミングが掴めません。

 「発芽・雑草・虫・収穫という4つの壁と、もう一つ壁がありました」というのが、収穫したキヌアからゴミを除く「調整」。国内にキヌアを扱う業者がないことに加え、キヌアに含まれる成分の一つサポニンが機械を汚してしまうことから、他作物のための機械を持つ設備からも全て断られてしまいます。

 できるところがないのなら、自分たちでやるしかないとクラウドファンディングで支援を募り、「キヌアセンター」を立ち上げたときには、最初にキヌアの種を植えてから6年が過ぎていました。

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キヌアセンターはたった1日でクラウドファンディングの目標金額を達成。今後は全国で生産されたキヌアの受け入れも視野に入れます。

 次々と立ちはだかる壁に挫けることなく立ち向かうことができたのは、「何年かかってもいい。出来上がったとき、この町に新しい特産品が生まれる。成功するまでやると決めていた」という高橋さんの強い思い。迷いのない眼差しは、剣淵町の子どもたちが「剣淵町はキヌアのまち」と誇れる未来をしっかりと見据えていました。


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 けんぶち産キヌアは丁寧に洗ってあるため、そのまま調理できるのが特長。とはいえ目新しい食材のため、どうやって食べていいのかわからないという声も少なくありません。高橋さんのおすすめは「難しいことを考えずに、米と一緒に炊くか味噌汁やスープにただ入れるだけ」。十分に手軽に聞こえますが、さらに手をかけずに食べられるようにとの思いから、キヌアを香ばしく煎って加熱した「焙煎キヌア」が登場。茹でるというひと手間までも省いた手軽さが注目され、2024年、北海道が主催する北海道新技術・新製品開発賞の食品部門で大賞を受賞しました。ふりかけのようにご飯にかける、サラダやスープのトッピングにするなど、使い方の幅がぐんと広がりました。

 食べ方の発信のためには、写真共有型SNSのインスタグラムを活用します。キヌアの食べ方やどのように日常の食卓に取り入れているのかなど、 キヌアの魅力を発信する「キヌアアンバサダー」を随時募集。実際の食卓でどんなふうにキヌアを調理し、食べているのかが「映える」写真とともに次々とアップされています。
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上/「調整」を終えたキヌア。
下/キヌア普及のために商品開発にも力を入れています。


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けんぶち産キヌア・焙煎キヌアのほか、キヌア茶などラインアップは多彩。
 

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 2023年には全国各地のキヌア生産者に声をかけ「全国キヌアサミット」を開催。「今、剣淵に限らず、道外も含めてキヌア栽培が始まっている。その中でも絶対的な形を作りたかった。これ、やったもん勝ちだから」と茶目っ気を見せる高橋さん。「全国でキヌア栽培が盛んになったときに、やっぱり私と同じ壁に当たりますよね、調整どうしようって。私たちにはキヌアセンターという、調整に困ったキヌアが集まれる環境がある。この施設を共有すればこのまちに雇用が生まれるし、向こうもいらない設備投資もしなくて済む」。その目は、キヌアのこれからを見据えていました。

 目指すのは「けんぶち産キヌア」の地域団体商標の取得。 キヌアがもたらす地域の変革と未来へのビジョンは、剣淵町の人々の努力と情熱によって、今、大きく実を結ぼうとしています。
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数々の困難を乗り越えて実ったけんぶち産キヌア。赤く染まった穂が美しい景観を描き出します。

 

株式会社 けんぶちVIVAマルシェ

上川郡剣淵町仲町16番1号
電話/0165-26-7120
FAX/0165-26-7130

https://vivamarche.com/

★令和7年2月掲載

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